「川崎フットボールアディクト」

橘田健人擁する桐蔭横浜大、一時明治大に2点差を付けながら逃げ切れず【#オフログ】

■明治先制

前日の試合の結果リーグ戦連覇を決めた明治が、桐蔭横浜と対戦したリーグ最終戦を取材した。

長いボールを使いつつシンプルに入った桐蔭横浜に対し、明治は開始7分に佐藤凌我が先制点を決める。GK早坂勇希のニア上を抜く技巧的なシュートで、GKとしては厳しいコースだった。佐藤凌は、その1分前にも芸術的なトラップから攻撃の糸口を作っており、好調さを示した形。

立ち上がりの時間帯について橘田健人は「前半の入りのところで、プレッシャーの速さだったり、球際の強さで結構圧倒されたので。最初立ち上がりでやられてしまった」部分があったのだと話す。ただ「そこから、徐々にチーム全体的に慣れてきた部分もあっても、自分たちの時間にも持って行くこともできてた」のだとしている。

実際に先制後の明治は、連続してCKのチャンスを手にする時間帯も作っていたが、これを桐蔭横浜の守備がしっかり跳ね返していた。

若干膠着状態のような形になった前半は、そのまま明治の1点リードで折り返すことに。

■打ち合いの後半

前半と同じメンバーで迎えた後半、明治は前線からの守備で桐蔭横浜からスペースを消すことを狙う。そんな試合展開の中、58分に桐蔭横浜の山田新が同点ゴールをねじ込む。

「シュートのパンチも、自信があったので。スピードも自分の武器だっと思っているので。仕掛けて。その前に背後に抜けて打ち切れなくて。倒された場面があったので。それで振ら(シュートを打た)ないとなと思ったので。割と早めに行って、うまくいきました」とその場面を振り返る山田。少々強引な形にも思えたが、鋭いシュートが同点弾となった。

山田は64分の逆転ゴールの場面でも貢献。角度のないところでボールを持つと「ゴール前では怖いプレーをしようと意識してるので。ここで打った方が怖いかなと」とシュートを選択。

またゴール正面に「(鳥海)芳樹くんも見えてたので。何か起きるかなと」思ったこともあり、シュートしたという。

「結果的に芳樹くんが決めてくれました」と安堵の表情を見せていた。

ちなみにマイナスのポジションに、加々美登生がフリーで待っていたが、加々美に対するパスについては「それ、相手が読んでいるのを多少感じたので」キャンセルしたという。

桐蔭横浜はさらに67分に橘田健人から加々美に完璧な縦パスが入り、GK早川友基と1対1の形に。加々美は早川と交錯しながらもループで流し込み、3-1とリードを2点差に広げた。

桐蔭横浜が悔やまれるのは、79分に山田が背後に抜け出してGKと1対1の形を作れている点。これが決まっていればリードを3点差に広げられたが、山田のシュートはわずかに左に。この場面について山田は「そうですね、あそこで決めてれば、勝ってたかもしれない。あそこから崩れたので。あそこから明治さんの迫力がありましたし、2失点目からはさすがでした」と悔しそうだった。

■表裏一体

危うく4失点目を免れた明治はここから反撃を開始。ピンチの直後の79分に小柏剛が1点を返すと、押せ押せの展開に。さらに続く87分に、右サイドの岡庭愁人からのクロスを、ファーサイドの小柏が決めて同点に。

ちなみにこの場面、山田が足をつっていてピッチ外に出ており、桐蔭横浜はFPが一人少ない状態だった。そういう意味で言うと桐蔭横浜にとって不運な同点ゴールだった。

試合は一気に逆転を狙う明治の攻勢が続くが、その明治の攻撃をしのぎつつ、カウンターで勝ち越しを狙う桐蔭横浜という構図に。スリリングな殴り合いが続いたが、結局3-3のドローでの決着となった。

2点を追いつかれたこの結果について橘田は「相手、システムとかも変わって、その中で自分たちで修正する力もなかったですし、最後はゴール前で体張る部分だったりというのがやっぱ、まだできてないと思うので。そこは全国大会までにしっかり修正しないといけないなと思います」と反省の言葉を口にしている。

なお、両校ともこの試合で関東大学リーグの全日程を終了。試合後には、明治大学の優勝の表彰と、今季限りで行われる#atarimaeni CUP(ハッシュタグ・あたりまえに・カップ)への出場の認定証の授与式も行われた。今季は総理大臣杯(天皇杯のイメージ)の開催が中止されたこともあり、インカレ(チャンピオンズリーグのイメージ)と合わせた大会として、トーナメントと、リーグ戦の両方から出場校を受け入れるというレギュレーションで行われることとなった。

この#atarimaeni CUP(ハッシュタグ・あたりまえに カップ)に向けて橘田は「大学で結構成長させてもらった部分もあって、この大学に最後優勝して恩返ししたいって思っているので。まずは大学の方で、最後しっかり全国で優勝してから、プロに行きたいです」と意気込みを述べている。

また山田も「あと一歩。勝ちきれない明治の強さを感じたので。そこはいいモチベーションにも目標にもなるので。全国に向けて」と話していた。

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