「川崎フットボールアディクト」

【えとーセトラ】神戸25年目の初戴冠。新国立競技場こけら落としレポート

■神戸が先制

そんな新国立競技場での天皇杯決勝は、立ち上がりの鹿島の攻勢をしのいだ神戸が握る形で推移。攻める神戸において、鹿島の脅威になっていたのが藤本憲明だった。

前半18分の神戸の先制点は、その藤本が詰めていたことで生まれたオウンゴールで、当初は藤本の得点とアナウンスされていたもの。藤本の正真正銘の得点は38分に生まれる。鹿島のミスに乗じて奪ったものだったが、運を味方につけた藤本の見事な得点だった。

神戸が奪った2点ともに絡んだ藤本はその点について聞かれ「持ってます(笑)。持ってると思います」と笑わせつつ「でもああいうところに走り込んで、そういう場所にいることが重要だと思うので」と話していた。キャリアのスタートはアマチュアのJFLだった藤本は、ついにJ1のメジャータイトルをもたらす存在となった。

■鹿島の修正

前半、サイドでミスマッチを作られて何度となくサイド攻撃を受けていた鹿島はハーフタイムにこの問題の修正に着手。ハーフタイムと53分に行った2枚の交代を経て右サイドバックの永木亮太のポジションを変更。攻撃時には永木に高めのポジションを取らせ、最終ラインを3枚にすることでミスマッチを無くした。またこの形にしたことで、攻撃の枚数を増やすことに成功。この結果、前半とは試合の様相が逆転するが、2点のマージンを持つ神戸は守備に意識を傾けることが可能になっており、鹿島の攻撃を数で跳ね返し続けた。鹿島にも決定的なチャンスはあったのだが、最後まで神戸ゴールは割れず。神戸が2−0で勝利することとなった。

神戸は25年目の初タイトルで、来季のACL出場権を獲得。アジアの舞台で戦う神戸がJリーグの価値を高めてくれることを期待したいところだ。

(取材・文・写真/江藤高志)

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