「川崎フットボールアディクト」

【レポート】J1 第31節 川崎vs柏 貫いたスタイルで柏を圧倒。連覇に向けて大きく前進

■信念の差
積み上げてきたものの差が歴然と出た、という試合だった。

フロンターレが目指したものは不変。初優勝した昨季から愚直に続けてきたスタイルをこの試合でもやり通した。特にボールを失った直後の切り替えは見事で、ようやくボールを奪った柏の選手たちに息つく暇を与えなかった。

後半80分にピッチを後にした中村憲剛は試合後「正直今日は90分持たさない(交代してもらう前提)つもりでいた」と述べ、ペース配分を無視した守備を行っていたと明かす。そこまでの負荷をかけたこともあり、試合は3−0という結果となった。

一方の柏は、3バックで試合をスタート。天皇杯山形戦を参考にしたのだろうが、これがまさに付け焼き刃だった。降格圏に沈む柏の勝利への執念がシステムチェンジになったが、山形が実行したディフェンシブな3バックとは根本的な考え方が違っており、結果は出せなかった。特に最終ラインを5枚にして守るべきところで守れなかった。

たとえば前半21分の家長昭博の先制点の場面などは、登里享平に小池龍太が引っ張られ、さらにストッパーの鈴木大輔が阿部浩之に寄せすぎたことでサイドにスペースを作ってしまい、ここにタイミングよく走り込んだ守田英正の独走を許す形に。慌ててゴール前に戻るが、中村憲剛と家長の2枚がフリーで走り込める状態になっており、失点もやむを得ない形だった。

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