「川崎フットボールアディクト」

鈴木雄斗、サポーターをわかせた挨拶は即興だった【新体制発表会見】

今季の新体制発表会見は、一番手の守田英正の挨拶を面白さで超える選手は出てこないだろうと油断していたら、やられた。鈴木雄斗があんなに面白い事を言える選手だとは知らなかった。

まず口にしたのはユウト丸かぶり問題。きっかけは、1月12日の中村憲剛の以下のツィート。

武岡優斗に鈴木雄斗が加わり「どっちもユウトだから2人でいると呼び方困る」問題の発生が憲剛から提起されていた。鬼木達監督やコーチ陣も巻き込んで気にかけていたというこの問題は呼び名が「ラルフ」になったとのことで一応の決着が付いたと報告。ちなみにきっかけは登里享平だったようだ。

ユウト丸かぶり問題でサポーターを温めた鈴木は、引き続いてオファー時の話を口にする。「僕が川崎フロンターレから話を頂いたのは、12月24日。なんて素敵なクリスマスプレゼントなんだ」と述べてさらに会場は大喜び。

話せる選手だなと思い会見後に話を聞いてみたが鈴木本人は「ただテンパってただけです」と自らの挨拶を振り返る。それにしては上手い挨拶だと思ったが、あらかじめ言う事を用意していたのではなく「ある程度こんな事があったなと思い出しながら喋りました」とのこと。

ちなみに言うことを事前に用意していた場合「考えて用意してて、そのとおりに言えなくなると監督みたいになるので(笑)」と発言。直前に挨拶し、言うことを忘れてしまった鬼木監督を軽くいじるところに大器の片鱗を感じた。

鈴木は横浜FMユースからトップ昇格できなかった悔しさを胸に「毎日、J1で活躍するということを強く思っていた」とのこと。今回の移籍により、ようやくその夢が叶えられる場所にまでたどり着いたことになる。信念と努力の大事さをそのプレーで伝えられる選手だと言えそうだ。

なお、合宿での動きを見る限り、即戦力クラスの身体能力と技術を身に着けていた。J1デビューはわりと早くに訪れるのではないかと睨んでいる。

(取材・文・写真/江藤高志)

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