「川崎フットボールアディクト」

【中西哲生の解説】「長谷川竜也、三好康児。ともに非常にいいプレーが出来ていた」前編:J1 2nd. 第17節 川崎vsG大阪

■三好康児のタフさ
--三好については、ぼくもU19での試合を見ていてタフさを感じました。削りに来た相手に突っかかっていく気持ちの強さを見せてくれたと思ってたので、そういうのがうまく試合の中で出せるようになってきたのかもしれないですね。
「もともと持ってたものを、三好もU19を経て出せるようになってきた、というのを試合を観ていて感じました。彼のいいところの一つは、相手が2人同時来てもかわせるというところ。左サイドで一度後ろから相手に押されながらも、その力を利用して前の相手を外しに行ったシーンがありました。基本的に日本人はコンタクトプレーをすごく嫌がります。ドリブルする時、トラップする時に接触されると普通はマイナスに働いてしまう。それをプラスに働かせられる選手は、日本の歴代の中でもあまりいません。たとえば中田英寿はその一人ですし、中村俊輔もそうです」

--大久保嘉人も同じようなことを言ってました。相手が後ろから当たってきたら、そこに体をうまくぶつけて自分の推進力に変えると話していました。
「相手がぶつかるということは、相手は減速するということでもあります」

--なるほど。
「こっちが加速して相手は減速する。それがポイントです。三好康児は元々出来ていたのかもしれませんが、Jの中で出せていなかった。ただ今回のG大阪戦はうまく出せていました。また後半、右サイドで相手が2人で来た時のプレーですが、1人来た後にもう1人来られても慌てず、あえて相手に来させて二人の間を左足アウトサイドのカットインで破ったシーンがありました。相手をうまく誘って1対1だったところであえて1対2にした。1対2になるとどうなるのかというと、守る側の意識としてはマークに少し曖昧な部分が出てきます」

--数的有利な守備陣に油断が出てくるんですか?
「はい。曖昧になる部分があるというのは、どちらが足を出して、どちらがついて行くかということです。それを利用して二人の間をインで誘ってアウトで持ち出して、一気にズバッと破る。それはストイコビッチがよくやっていたテクニックでした。ストイコビッチは左からカットインするときにあえて挟まれるのを待って、相手と相手の間にスパッと行くんですよ。そうすると足の出し方が中途半端になって結果二人を置き去りにできる。そんなプレーをする三好康児を見ていて、今後もJであのプレーを見せられるようであれば、楽しみだなと感じました」

--昨日の試合は若い二人にフォーカスを当たるべき試合だったと。
「あとは、あの二人をどう使うのかということ。それは今後のポイントになるかもしれません」

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