山梨フットボール

「運も味方してくれたけれど昇格に対する執念が引き寄せた堂々の勝利」【2020明治安田生命J2リーグ第32節 大宮1-2甲府 レビュー】


2020年11月8日 大宮1-2甲府(14:03K.O/NACK5スタジアム大宮/入場者数 3,876人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、入場可能数の50%以下等の制限付き)/天候 曇 無風/気温 22.2℃/湿度 36%)

得点者 34′ ドゥドゥ(甲府)  58′ 菊地俊介(大宮) 90’+5 内田健太(甲府)
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合が終わった直後はなんとなく後ろめたいような気持ちにもなった勝利だけど、よくよく考えてみれば――ドゥドゥの荒れ様はよくないけれど――堂々の勝利。ドゥドゥに報復行為をして退場になった山越康平があの場面で我慢をしていれば大宮が勝った可能性は――少なく見積もっても――小さくはなかった試合。大宮を愛する人たちが山越個人に敗因を押し付けることはないと思うけれど、大宮は勝てる可能性が一定以上あった試合で退場者を出して――2点目を取るチャンスはあったけれど――自滅した。これもサッカーだし、逆のことが甲府に起これば腹立たしく感じるだろうけれど甲府は勝つしかない試合で勝ったことが素晴らしい。

れだけ選手が揃っていて、素晴らしいクラブハウス・練習環境があり、クラブに資金力もあるのに、何で甲府戦でやったようなサッカーをやり続けなかったのか不思議になるほど大宮は質の高さを感じさせたしクリーン。今季のJ2で一番強いのは磐田だと思っているけれど、大宮は磐田からちょっと落ちるくらいの高いレベル。DAZNで見返せば甲府も大宮も相手のFWの背中を取るポジショニングでポゼッションするところは結構似ていて、大宮が15位に低迷してしまったのはどういうサッカーをやるべきなのか迷いが出た結果じゃないかなぁと推測した。余計なお世話だけど…。

じようなことをやるとなれば違いが出るのは個の質と成熟度と決定力の差。立ち上がりは甲府が成熟度の差を見せてチャンスメイクをしたが、大宮も個の質の高さを見せて黒川淳史の決定機になりそうなクロスも入れてきた。甲府のFKのチャンスは大宮のGK笠原昴史が壁の下を狙ったシュートに反応してセーブし、黒川へのクロスは合わなかった。お互いにゴールキックを繋いだり、ロングを蹴ったりで状況を見ながらの展開だったが、14分くらいにドゥドゥがイライラしていることが気になり始めた。最初は大宮のCBが後ろから挑発気味にチャージしてイラつかせようとしているのかと思っていたが、あとで伊藤彰監督に聞くと「ドゥドゥに対するベンチからの指示とチームメイトの指示と通訳の岩﨑ブルノのいうことが違っていて混乱した」ということ。

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