山梨フットボール

伊藤彰監督「佐藤洸一は毎日積み重ねた信頼の中で力を出してくれた」【無料記事 J2第5節 甲府1-1金沢 コメント】

「試合内容はよくないが、勝点を取ることや昇格するために必要なものが今日のゲームにあった」伊藤彰監督

土曜日開催の中、ファン・サポーターの皆さんが7000人以上来てくれて、我々を後押ししてくれたことを感謝します。ゲーム内容は我々の入りというか、いい感じで入ってなかったと――僕の目から見ても――身体が重い感じがしていました。失点した場面は我々が一番ケアしないといけない左サイドからの攻撃、左サイドからのクロスで、準備してきたところを――クロスの対応を――もう少しやらないといけない。そこをしっかりと抑えられなかったことが失点に繋がった。

ゲームをコントロールしようとする中で金沢のプレッシャーを剥がせない状況が続いた。途中からポジションや高さでチャレンジしようとしたが、効果的な崩しができなかった。そいうところが難しくした原因の一つ。

後半、相手が退場(73分、長谷川巧)になって我々が攻勢をかける中でディフェンスラインを(5枚から4枚に)1枚減らして前に佐藤洸一を入れて厚みのある攻撃、なりふり構わずに点を取りに行く姿勢を見せてくれた。そこで得点できて勝点1を取れたことはよかった。2019シーズンが始まるときに我々はJ1昇格を目指す中で、勝点ゼロを勝点1に、勝点1を勝点3にすることを目指してやってきた。後半残りのアディショナルタイムで点が取れたことは、彼らがそれに向かってガムシャラにやってくれたということ。

――ここまで出番がなかった佐藤洸一選手がチームに勝点1をもたらせるゴールを決めましたが、評価は?

キャンプからずっといいパフォーマンスを出してくれていたし、得点をする嗅覚は揺るぎないものがあった。だからこそ最後の交代カードで彼をチョイスできた。トレーニングから毎日積み重ねてくれた信頼の中、力を出してくれた。頼もしい選手なので、これからもああいう場面で点を取ってほしいし、スタートから90分間でも点を取れる選手だと思う。信頼して使っていきたい。

――前半は金沢のプレッシャーをなかなか剥がせなかったが、その理由はどう考えていますか?

3バックで(プレスを掛けに来る金沢の)2トップを切らないといけないということと、金沢のプレッシャーが剥がれたところからサイドハーフ、ボランチが(プレスを掛けに)出てきた。そのプレッシャーを切れた回数は少なかった。いろいろなものがあると思うが、シャドーのポジショニング、ドゥドゥが(ピーター)ウタカから離れていた。ウタカにボールを入れたときにサポートがなかったということがあったので、(シャドーの)横谷(繁)とドゥドゥのポジショニングは、今後ハイプレッシャー、マンツーマンで来るチームに対してもっと改善する必要がある。また、WB(ウィングバック)が高い位置を取り過ぎていた。SH(サイドハーフ)のプレッシャーをWBが引き受けて(シャドーが)余裕で入ってくる時間を作ってもいいのかなぁというのが僕の反省です。

後半に向けてそういう形を取り入れようと話をしていたが、それ以上に金沢のプレッシャーを剥がせなかった。金沢のプレッシャーがよかったというところも…。もっと自分たちも向上して積み上げていかないといけない。

ワンチャンスに決めて信頼を勝ち得た佐藤洸一。スポーツ選手は”ワンチャンスをモノにする”ことが大事で、それができる選手が素晴らしいことを証明した。

――最後、小柳達司選手が持ち上がってシュートを打って佐藤洸一選手のゴールに繋がりましたが、小柳選手の攻撃面の評価は?

元々ボランチもやっていた選手。攻撃のタスクを持っている選手。その中でも我々は失点ゼロで抑えるという守備の構築で彼のパワーを一番生かしてほしい。その中でチャンスがあれば上がっていくというパフォーマンスを見せてくれた。我々の中では持っているモノ(能力)だと思っていたが、上手くバランスを取りながらやってくれた。

最初から攻撃的なパフォーマンスを評価するのもひとつだけど、それ以上に守備で貢献したパフォーマンスを評価しつつ、彼の特徴であるコーナーからの得点や上がってミドルシュートが増えていくと我々の武器になってくる。その辺はプラスαとして積み上げていかないといけない。

――今津佑太選手が今季初先発でしたが、後半ストッパーからCBに変えた意図は?

前半、今津のところで――彼もスタートからプレーするのはファーストゲームで緊張もあったと思うが――特徴である守備のところのハードワークができていた。その中で一つ問題になっていたのはCBがフリーになって(前に)入って行くパスの供給ですね。前半それ(が少ないの)を我慢しながら――前半からバランスを崩すようなことはよくなかったので――我慢しながら左サイドからの攻撃よりもボランチがピックアップしてからのビルドアップが前半のメインになっていたと思います。後半になってCBがどんどん入っていけるシチュエーションができていた。小柳や小出(悠太)の方が(前に)入っていけるので仕事ができる。小出を左に持って行って、小出からボールを供給する。前に厚みを持たせるという意図がありました。

――開幕から5試合負けなしというのはクラブ記録ですが、この点をどう評価しますか?

負けなしでここまで持ってくることができたのは選手の力とファン・サポーターの後押しの力だと思っています。選手が凄く頑張ってくれたことを評価しています。今日のような苦しいゲームで勝点1を取るということは評価できる。簡単にできることではないので、そこが負けなしで来ることができた最大の要因。第1節の大宮戦(0-0△)は堅く引き分けたが、第2節以降はアグレッシブにやって点を取る、守れるというキャンプでやってきたことができた。今日のゲームはひとつのターニングポイントになるかなぁと。試合内容はよくないですが、勝点を取ることや昇格するために必要なものが今日のゲームにあったと思います。

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