吉田達磨監督、「選手はいつでまもこういう温かい応援や声援が続くと思ってはいけないし、いい姿勢でいつもファイトを見せないといけないと思って欲しい」【無料記事 明治安田J1リーグ第13節 FC東京対甲府 吉田達磨監督会見】
【明治安田J1リーグ第13節 FC東京対甲府 吉田達磨監督会見】
ただ、前半の自分たちがプレーするべき時間帯にプレーができなかったり、いつもなら速く動かすボールを(出しどころを)探している間に相手に詰められたり、せっかく高いところまでボールを運んだのに誰かの助けを待つ、助けがないなら自分で何とかしようという気概がないまま前半を終えて帰ってきた選手が何人かいて、そこを修正して後半に入った。
後半ピンチもあったがFC東京相手にプレーし続けることを最後まであきらめずにやってくれた。最後ウイルソンの1対1、本人が一番分かっていると思うが、彼があそこにいる意味というのはああいうチャンスにゴールを決めてこそ。あの時間帯に決め切るフィットネスを残すことを彼と追及していきたい。GKを抜くことも選択肢にあったと思うのでコンディションをもう一つ上げたい。
今日はたくさんの応援の中でこういうスタジアムでプレーできたが、選手はいつでまもこういう温かい応援や声援が続くと思ってはいけないし、いい姿勢でいつもファイトを見せないといけないと思って欲しい。僕自身もそうです。次からはルヴァンカップがあって、鳥栖戦があって、(リーグ戦の)仙台戦があって、少し間を挟んでリーグ首位の柏との試合があるので課題を修正して、また応援してもらえるような、このチームのファン・サポーターでよかったと思ってもらえる姿を見せ続けたい。今日は非常に悔しいです。
今日の勝点1を受けて広島戦で出た良さを深く感じられるものですか?
A
FC東京は広島とはスタイルが違いますが、広島戦は高い位置までボールを運ぶもののトライする一歩が足りなくて、(高い位置までボールを運ぶことで)その分カウンターのリスクもあるし、跳ね返される間に浮いてくる選手は出てくるが、そのリスクとチャレンジのバランスというところで、(FC東京戦は)バランスから考えずにリスクを負ってクロスを上げてみたり、ペナルティエリアに入ってみたりとか、キャンプでたくさんトライしてきたこと――リーグ戦が始まる中で自分たちが勝つために一度そこを薄めて違うところを濃くした中で、そういうところを思い出していこうとルヴァンカップの新潟戦から入って――広島戦から意識として修正できているが質は一週間では上がるものではないし、スピード感を持ってプレーすることに技術レベルが追いつくことを目指している。そういう意識的な修正点にテクニックが追いついてくるように、スピードに技術が追いつく、スピード感があるトレーニングをするいいきっかけになったと思う。
リーグ戦初出場・初先発の小出については?
A
ほとんどの方が、『誰だコイツ』っていう選手だと思うが、対人のセンスとか実戦的なところ(があり)、身体をぶつけて進路を塞いだり(できる)。決して上手じゃないし、ポジショニングがいいわけではないが、ボールを呼び込んでいくときの動きに相手が対応するが、そこで次の穴を作ったりとか…(できる選手)。彼がこのチームにもたらせてくれたもの、アグレッシブさと、ひたむきさ、健気さ――沢山のベテラン選手が活躍するチームだけど――久々に新しいフレッシュな風をもたらせてくれたと思います。
大久保選手が少し下がり目でプレーすることが多かったが、甲府としてはやりやすかったのか、やりにくかったのか?
A
どっちにいてもいい選手。あれだけゴールを決めている選手で、今日もゴール前に出てくるとクロスをファーでフリーになって狙っていて流石だなぁと思っていた。僕らがどこで彼を相手にするかというときに、中盤に下がってパスを出してくれた方が、「まだいいのかなぁ」というのはありますが、これが大久保選手が下がって仕事をしていたからFC東京はよくなかったとなるのは…そういう論調に持っていきたくはない。彼はストライカーだしあそこ(前線)に入ることは怖い。中盤に下がってもスペースを見つけて上手い選手だと思っていて、前半はお手上げのところもあった。
小出、島川がスタメンでしたが狙いは?
A
戦術的な話になってしまう。「なんで兵働選手じゃないの?」となるかもしれないが、島川選手は今日がJ1初スタメンでいつものフレッシュさ――ボールを拾って捌いてというのがなかったが――島川選手がいた位置あたりでプレーする時間、ペースは持てるなというのがあって――拾って入ってというところ――山本選手は上手い選手なのでいかに島川選手のところで速く前を向けるか。裏のスペースは後半になるまでないのかなぁと正直思っていた。相手のCBは強固だしラインコントロールはアラートだし、兵働選手からの裏への一発――僕らが構築しつつあった形――よりも中盤の大久保選手や前田選手――前田選手の先発と我々は読んでいましたが――の僕らのCBに対するプレッシャーを少しだけ緩められたらという狙いです。