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吉田達磨監督「ポジティブな試合だったが、結果としては勝つべき試合」【無料記事 2018YBCルヴァンカップ第4節 清水1-1甲府 コメント】

「ポジティブな試合だったが、結果としては勝つべき試合」吉田達磨監督 記者会見

ルヴァンカップは、3チームが勝ち点6で並んでいる状況で今日ここにきて、J1のチームと戦える。相手のメンバー表を見ると本気でルヴァンカップを取りに来ている。お互いのチーム状況もあるかもしれないですが、錚々(そうそう)たるメンバーで清水が来るということで、僕たちの若い選手、今日Jリーグデビューした選手もいますが、気持ちの高まりや“何かやってやろう”というものを試合前から感じていました。

試合の立ち上がり…立ち上がりの立ち上がりですね。初っ端でボールをバウンドさせる、お見合いをするような――彼らが小学生くらいから「長いボールはバウンドさせたらいけない」と言われて育ってきたと思いますが――イージーミスがあった。何の集中も読みも効かせる前に失点したのは…そうなったのは経験の無さだけじゃなく、個人のスキル、能力が達していないからだと思います。そのあと、数分で立ち直って彼らがエスパルス相手に見せたプレーはとても気持ちも頭脳もこもっていて、両方がリンクして途中から0-1という点差が飛んでいくようなプレーを見せてくれたと思います。

ハーフタイムを挟んで後半、エスパルスの能力を考えると一気に攻め立てられる苦しい時間帯が早く来ると思っていました。しかし、それも跳ね返すプレーを見せてくれたと思います。小さい判断ミスはありましたが、戦術的に大きなミスはしないでやってくれた。戦術的プレーというのは、Aチーム、Bチームということでいれば、Bチームということになるかもしれないメンバーですが、火を消さずに前を向いて自分たちを信じて取り組んでいる成果だと思います。勝っていないので…結果としては勝つべき試合だったと思います。彼らが経験を積んで、いわゆるBチームからAチームに脱出する、ルヴァンからリーグに入って行く、もしくはさらに舞台を上げていく。そういうことを考えた上では非常にポジティブな試合だったと思います。

――今日の試合、選手は気持ちのこもったプレーを見せてくれました。週末のリーグ戦に繋がる部分はありましたか?

みんなリーグ戦に出たいでしょうから。今日の試合をテレビで見ているメンバーも「自分たちのサッカーってこうだよなぁ」とか「ここはこうなるよな」ということが分かるような、明確な自分たちのコンセプトを彼らは体現して、質でいうとまだまだかもしれないが、そのコンセプトを体現していくことが、チームが勝ち続けていく土台ですし、土壌。ここにいるメンバーだけが、それを持っていて、甲府に残っているメンバーがそれを持っていないということはなく、チームの全員が持っていて、引き出しも練習するたび、試合をするたびに増えていて、普段組まないメンバーで組んでも一定のことができることを彼らは証明したわけで、3日後のリーグ戦に対して、いい影響しかないことは間違いないこと。

もうルヴァンカップがプレッシャーになること――リーグ戦は勝てなくて、ルヴァンカップは勝って――“何でルヴァンのメンバーがリーグ戦に出ないだ”というような、リーグ戦のメンバーがプレッシャーを受けるみたいな、へんてこりんなことは僕たちには起こらないことは分かっている。質は持っているので自分たちを信じて、今、自分たちが回り始めたところで――見えにくいかもしれないけれど――確実に回り始めていることを選手も僕も感じ取れているので、それが今日の試合でまた表現できた。あとはリーグ戦で表現することが必要ですし、勝つということは簡単じゃなくて、J1からJ2に行って簡単に勝てるようなことだったら何の面白みもない。今、彼らがやったことは「リーグ戦に繋げよう」と思ったというよりも、一人のサッカー選手として、ヴァンフォーレ甲府の選手として、自分たちが今日の試合で何をすべきか考えてプレーをしたということ。その奥にはリーグ戦に出たいというモチベーションがあると思います。

――橋爪勇樹選手の交代の意図は?

長い間、ケガで離脱していて、前半45分間だけやらせようと思っていました。橋爪は本来はCBの選手ではなく、(本来はCBの)ビョン・ジュンボンを(ボランチで)トライさせたいのもあって、(橋爪を)CBで使いました。本当は前半で代えると話していました。しかし、「もう少し長くプレーさせよう」となりました。(先発した選手が)ハーフタイムを挟んで後半に出て行くと、最初に“どっと”疲れが出るので、疲れにも慣れさせたかった。次(のリーグ戦)に出るとかも考えますが、今日はスタメンで出て、試合に慣れていく、ハイテンションの中に入って行く。プラスαでもう10分プレーすることがハーフタイムを挟んで、重たくなる身体に慣れていくということが今日の基本的な狙い。凄くよくプレーしてくれたと思います。

――秋山拓也のプレーについて

アルビレックス新潟シンガポールから加入して、今日、日本でのプロデビューになりました。彼はキャンプでケガをしたんですが、加入間もないころは今までとのスピード感の違いに悩まされてビックリしたが、1~2週間で慣れて、2次キャンプで更に慣れて持ち前のフィードの良さ、パニックにならない彼の良さを出し始めたところでTMでケガをして、ケガから復帰したら同じことの繰り返しになって、慣れないといけなかった。みんなに文句を言われ、アドバイスをされて、よく分からないみたいな状況になっていました。このところ整理されて気持ちが入って、今日スタメンで出しました。鄭大世君にヘディングで負けていないですし、フィードは落ち着いてますし、アタックのところで臆せず鄭大世君の右肩や村田和哉君のちょっと前にポジションを取ったり、ボールを運んだりとできて、前の選手がフリーになるスタートの役割は十分によかったと思います。

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