ニイガタフットボールプレス

新春蹴球放談【笑門来福2023 feat.北條聡】~vol.5~「ボールを持つ意味」

北條さんの二分法は、サッカーを、アルビを考える上で本当に多くのことを教えてくれます。それを改めて感じるvol.5。テーマはボールポゼッションです。

■去年のJ2では新潟だけがやっていた

――松橋力蔵監督には、昨シーズンを戦ったチームでJ1でも戦えるしっかりとした手応えがあるのでしょう。

「そうだと思う。監督には2種類あってさ。いってみれば選手の才能をシンプルに消費する監督と、選手の才能を引っ張り出そう、引き上げようとする監督と。力蔵さんは、引き上げようという考えなんだと思うんだよね。

だから例えば去年のチームのスペックが7だとしたら、J1でもまれる今年はトレーニングでさらに8に伸ばすことも可能だろう、という。そういう考えであれば、今回の新潟の補強も納得がいく。実際、伸びしろのある選手がいるわけだし。

ただ、補強ポイントに関して一つ気になるのはセンターバックなんだよ。特に新潟のように、主導権を握ってサッカーをやろうとするチームにとっては、センターバックが命綱になってくる。守備だけじゃなく、攻撃でもね。

で、日本のセンターバック事情を考えたとき、『守備もできるしボールも扱えます』というセンターバックは、基本的にもう海外に行っちゃっているわけ。今回のワールドカップで、日本代表のセンターバックはほぼ全員ヨーロッパでやってます、なんていうのは空前の出来事でさ。

例えばブラジルワールドカップの日本代表では吉田麻也だけで、その麻也もヨーロッパではまだ経験を積んでいない、という状況だった。それが8年経ったら、若手を含めてみんなヨーロッパでプレーしていて、Jリーグのフロンターレから選ばれている谷口彰悟も、大会後すぐにカタールのアル・ヤーランに移籍する、という。日本の最高レベルのセンターバックがみんな海外に行っちゃった後に、センターバックを取り合っているというのが今のJリーグなわけ。

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