ニイガタフットボールプレス

【頼もう、感想戦!feat.小川佳純】~第29節・モンテディオ山形~vol.1「貫こうとしてきたはずが」

今季初の逆転負けを喫し、磐田、京都との差が広がった第29節・山形戦を、小川佳純さんと語り尽くします。ズミさんの「気になる」を徹底的に検証する今回。アクシデントのような失点ではなく、山形の狙い通りに崩された手痛い黒星に、危機感が募ります。2021年シーズンの正念場です。

■ボールに強くアタックできない

――今シーズン初めての逆転負けは、非常に危機感を覚えてしまう黒星となりました。ズミさんが気になったポイントを、今回は徹底的に検証しましょう。

「いやあ、山形のサッカーが面白かったですね」

――そう来ると思いました(苦笑)。

「現役時代の最後、新潟はJ2に降格していましたが、マリノスのサッカーが面白くてずっと見ていたんですよ。当時、ポステコグルー監督(現セルティック監督)のもとでヘッドコーチだったクラモフスキーさんが今、山形の監督ですよね。シーズン途中から監督に就任したにも関わらず、やりたいサッカーをある程度、形にしていることが素晴らしい。もちろん、まだ未完成だと思いますが、それでもクラモフスキー監督が就任するまでのサッカーとは違うだろうし、俺が見て面白いと感じたマリノスのようなサッカーを、山形はやっているのではないでしょうか」

――うっかりすると山形の話ばかりになりそうです。僕が気になったのは、山形のFW山田康太選手のボールを受ける位置。ときには自分たちのボランチよりも低い位置まで落ちて、なかなかマークに付き切れませんでした。

「山形のやり方は、両サイドハーフが幅を取って、ヴィニシウス・アラウージョ選手が新潟のセンターバック(CB)の間に構えて、この3人で新潟のディフェンスライン4人をロックするというものでした。

山田康選手はFWですが、2トップというより、新潟のボランチの脇や、さらにその背後でボールを引き出すようなポジションを取っていました。中盤まで山田康選手が下がってくることによって、新潟のボランチ2人はなかなか山形のボランチに強く行きづらい状況になっていたと思います。

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