ニイガタフットボールプレス

【Voice of the Pitch】僕たちの2年目の闘い~柳育崇選手インタビュー③~

それぞれが強い覚悟と決意とともに迎えた2019年シーズンも、あと2カ月。そんな中、アルビ2年目の彼らが立っている場所、抱く思い、視線の先にあるものは何か。インタビューシリーズの2回目は、アルビレックス新潟シンガポールを経て、昨年、新潟でJリーガーとなり、試合に絡んだ手応えとともに今季を戦う柳育崇選手が登場します。

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■どん底で掛かってきた1本の電話

――リーグ戦に絡んでいない選手たちにとって、とても重要なアピールの場になる天皇杯は、初戦で敗退してしまいました(2回戦●0-1ツエーゲン金沢)。気持ちをどう立て直し、奮い立ちましたか?

「もしかすると、天皇杯で自分の評価が変わるかもしれないという期待があったんです。後半の、思い切りよくできたプレーに目を向けてもらえれば。そうすれば、チャンスがくるかもしれない。そう思っていた部分もありました。でも現実は、そんなに甘くなかった」

――逆に、練習試合の出場時間も限られたものになっていきました。

「自分の中でも、どんどん気持ちが落ちていって、腐る寸前まで……いや、正直いって、完全に腐ってました。何をやっても自分は評価されないんだ、という感覚に陥ってしまって」

――どうすればいいんだよ、という。だけど、フッと気づいたんですね?

「(森)俊介だけじゃなく、ベンチに入れない選手たちを見ながら、どうあるべきか、現状にどう向き合っていくべきかは、常に考えていました」

――文句を言うばかりじゃなく。

「そう。ただ、(早川)史哉くんとかお手本となる選手を見ていても、『おれはあんなに前向きになれないな』と思っちゃったり……」

――気持ちが腐っちゃってるから。

「自分の中でネガティブな感情の方が、あのころは勝ってました。『なんでだよ』というのは、今でもありますよ。悔しさも。だけど、あれほどメンタル的にどん底まで落ちた時期はなかったです。これ以上ないだろう、っていうところまで」

――どん底からフッと浮上したタイミングを覚えていますか?

「サッカーつながりで大学時代にお世話になった方から、たまたま電話が掛かってきたんですよ。一般の、サラリーマンの方なんですけど。『最近、どう?』という電話が。

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