【対談】～前編～北川ひかる＆イ・ヒョギョン「お互いの課題と長所が、ちょうどうまく噛み合うんです」
――今、チームは4バックで、ヒョギョン選手はCBの右、ひかる選手は左サイドバックです。ヒョギョン選手から左に展開する場面も多いと思います。
ヒョギョン選手「たぶん、ひかるは自分のことを分かってくれているから、パスを出そうと思うとき、しっかり準備してくれています。この前のAC長野戦でも、目が合ってパスを出したら、しっかり反応してくれました。一緒に住んでいるから、より分かりやすいんじゃないですかね（笑）」
ひかる選手「ははははは（笑）」
ヒョギョン選手「他の選手だと、目が合ったと思ってパスを出しても、反応してくれないときがある。私の目が小さいから、見えないのかな（笑）？ ひかるは毎回ちゃんと反応してくれるから、分かってるな、と思います」
――ヒョギョン選手は、ひかる選手の攻撃力を生かしたいですよね。
ヒョギョン選手「そうですね。足下へのパスも大事ですけど、出せるときは裏のスペースにパスして、しっかり走らせてあげたいです」
――ひかる選手は最終ラインで一緒に組んで、ヒョギョン選手のプレーをどう見ていますか。
ひかる選手「本当に安定感が出てきています。そして、最終的にゴールを決めさせない守備ができる。そのためにCBとしてしっかりポジションを取れるし、周りに指示も出せる。それから一緒にプレーしていて感じるのが、ミスをしても落ち込まずにプレーし続けられるところで、そこもヒョギョンの強さだと思います」
ヒョギョン選手「自分はミスが多い選手だから、ミスしたら『次、がんばろう』と、もっとがんばれるんです（笑）。奥山監督にも『ミスしても下を向かないように』と言われているし。ミスをしても、その後、守ればいい。ビルドアップでミスしたら、スライディングしてボールを取り返せばいい。失点につながるミスはよくないですけど、でもミスは成長するきっかけになるじゃないですか。次はパスの出し方を変えようとか、守備のとき、こっちにポジションを取ろうとか、良くなるために考える。だから、自分はミスを気にしないです。周りの選手は不安に思うだろうけど（笑）」
ひかる選手「不安なときもあるよ（笑）。いきなりすごいミスをして、こっちがびっくりする。だけどヒョギョンは平常心を保ってプレーし続けるから、すごいメンタルだな、と感心してる（笑）」
（つづく）
[プロフィール]
Hikaru Kitagawa / DF、24番、1997年5月10日生まれ、石川県出身。163㎝、53㎏。JFAアカデミー福島、浦和レッズレディースを経て、昨年9月、新潟Lに加入。スピードある突破、左足からの鋭いキックを武器とする、攻撃力あふれる左サイドバック。
Lee Hyokyeong / DF、16番、1997年2月12日生まれ、韓国出身。166㎝、61㎏。光陽廣英中学校、光陽女子高校、北陸大学を経て、昨年、新潟Lに加入。空中戦の強さと粘り強い守備で、今季、CBの定位置をつかんだ。
text by 大中祐二