「川崎フットボールアディクト」

身近な存在だからこその刺激【えとーセトラ】

■桐蔭横浜大学対国士舘大学

関東大学サッカーリーグ戦後期20節というものを取材してきた。会場は西が丘で、1試合目は桐蔭横浜大学対国士舘大学。来季フロンターレへの加入が決まっている桐蔭横浜大の早坂勇希は負傷のため欠場。その代わりに出場した北村海チディは大学での初スタメンとなった。シュートストップはもちろん、スピード感のある正確なフィードでカウンターの起点になるなど最後尾からチームを鼓舞する働きができていた。

また桐蔭横浜大は高吉正真と山内日向汰の川崎U18出身のボランチコンビが中盤でバランスを取りつつ最前線の山田新を起点とした攻撃陣にパスをつないでいたが思うに任せず。国士舘大の守備陣に対し攻撃面で手こずっていように思えた。

国士舘大とともにチャンスはあれど、ゴールを割るまでには行かず。

0-0で試合を終えている。

■法政大学対筑波大学

2試合目は法政大学対筑波大学の一戦。

こちらは拮抗した前半を経て迎えた後半63分に筑波大が森海渡のゴールで先制。反撃に出た法政に対し、77分にも竹内崇人が追加点を奪いそのまま試合終了。

両チームとも中盤の形が攻守の局面で変化するシステムを取っており、見ごたえのある戦いとなっていた。

■松井蓮之と、三笘薫のハットトリック

来季、フロンターレへの加入が決まっている松井蓮之が試合後にメディアの取材に応じてくれた。松井は守備の部分で後半特に狙い通りに行かなかったと反省している。

「相手がボールを持つ時間が長くなった中で、自分達の狙いを持ったプレスというか、前半はうまく後ろの声と自分の声をスイッチに、前からうまくはめるシーンが多くあった中で、後半はやっぱり相手にボールを持たれる時間が多い中で、どこではっきり行くのか、ということを後ろと自分があまり発信できずに、ズルズルプレスを剥がされるシーンが多くなった」

その一方でプレーは球際で激しく。パスとドリブルを使い分けるメリハリの効いたプレーを見せていて特徴として示せていた。そのあたりのスタイルにフロンターレでの練習参加がどの程度プラスに働いているのか、聞いてみた。

「もちろんフロンターレの練習に参加させてもらって、やっぱり自分の攻撃のクオリティというか、自分の持っているもの以上のものを出さないといけないなと思ってました」

それはフロンターレの選手たちの技術レベルを肌感覚で知ったからだ。

「フロンターレの選手たちはパズとかトラップの基礎技術は高いですし、状況に合ったプレーの判断というものがやっぱりフロンターレの選手はみんなうまいなって思ったので」

だから松井は技術に加え状況判断を磨きたいと考えていたと話す。

「自分もパスだけじゃなくて、スペースがあったら自分でドリブルで運んで、相手の状況を変えるということは意識してましたけど、やっぱり点数が取れていない中で、パスであったり、ドリブルも結果につながらないと評価されないと思っているので。そこはまだまだ課題ですし、自分がもって取り組んでいく必要があると思っています」

そういう意味で結果を出せなかったこの試合は松井にとっては反省材料だった。今後フロンターレ入りするまでの目標として「目に見える結果というか、得点であったりアシストであったり、チームを勝たせるプレーであったりっていうものを出すのが課題」と述べているから。そして結果を出すために、守備のみなら攻撃にも意識を向けたいと次のように言葉を続けていた。

「守備はできるんですが、攻撃の部分。最後のラストパスであったり自分でミドルシュートであったり、ペナルティエリアに入って最後のシュートっていうのを、もっともっと増やしていかなければいけないのかなと思ってます」

話は変わるが、法政大に勝利した筑波大の山原怜音に、先日三笘が達成したハットトリックが刺激になるのかを聞いてみた。

「もちろんなります。朝、バスで出発したときもみんなの中で話題になりましたし、2年かぶっていて、ユニバーシアードも一緒にやらせてもらって。
学年がかぶっている先輩以外にも、筑波大学蹴球部出身の先輩が活躍されているというのは、現役部員にとっては本当に嬉しいと言うか、自分たちの力にもなるので。先輩たちが頑張っているからこそ、筑波を任されている自分たちが結果を残したいという思いは強くなっていると思います」

(取材・文・写真/江藤高志)

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