「川崎フットボールアディクト」

「私たちやっぱりね、川崎フロンターレなので」2021新体制発表会見第1部ダイジェスト【ニュース】

2021新体制発表会見が1月23日にオンラインで開催された。当初16日に有観客で行われる予定だったが、コロナ禍による緊急事態宣言を受けスケジュールが変更になっていた。

○福田紀彦川崎市長
まず、福田紀彦川崎市長が挨拶。
2021年シーズンのJリーグ連覇とACLのタイトルへの期待を口にしつつ、コロナ禍において、改めてスポーツや音楽のチカラの大きさを実感したと述べている。
音楽に関しては坂本九さん生誕80周年ということで、九さんにちなんだイベントを行うことが発表されている。

その一つが小学2年生を対象に送られる九九シート。さらに算数ドリルは九さんとのコラボが発表された。

○藁科義弘代表取締役社長
引き続き挨拶に立った藁科義弘代表取締役社長からは、厳しいクラブの財政事情について説明があった。コロナの影響のため売上が減少。2019年シーズンが69.6億の売上げだったのに対し、2020年の予測は52.4億と17.2億の減収で営業損益は5.8億の赤字の見込みだとのこと。

「クラブ設立以来初の大幅赤字に転落する見込みです」との藁科社長の言葉が重かった。

また藁科社長は「スポンサー各社の皆さんもこの中による経営情勢悪化によりスポンサーから撤退されることもあるでしょうそして何より等々力陸上競技場の入場制限が続くことになれば昨年以上に大きな打撃を受けることになります」としつつ、「私達はこの状況下であっても常に優勝争いタイトルを目指すクラブであること、ホームタウンに元気と笑顔を届け続けることを忘れずに取り組んでいきたいと思っております」と例年と変わらないスタンスを誓っていた。

なお例年シーズン前に行われていた市内商店街巡りについてはコロナ禍により延期されているが、コロナウイルスの状況が落ち着き次第、また市民、選手の安全が確保できれば改めて実施する旨発表された。

また藁科社長からは2021年シーズンのキャッチフレーズとして「New Front.」が発表されている。

「New Front.」に関わる施策の一つが、若手育成の大事さ。
その一つが、2023年春にオープン予定のフロンタウン生田で、またベトナムのビンズン省にフロンターレのサッカー教室を開設する予定だとのこと。

藁科社長は挨拶の締めとして「コロナ感染拡大の影響がまだまだ大きい状況の中私たちがやらなくてはならない」ものとして「明日への希望や癒しをスポーツを通じて届けること。元気を届けること。笑顔を届けること」を列挙。そうすることで「スポーツがサッカーがそして川崎フロンターレが不要不急のものではないと示したいと思います」と口にして「私たちは自分のためではなく、名前も知らない誰かのために役立ちたいのです」と宣言した。

○庄子春夫エグゼクティブ・アドバイザー
続いて挨拶に立ったのが庄子春夫エグゼクティブ・アドバイザー。庄子EAは昨季の成績に言及しつつ支援に感謝しつつ自ら1月10日を持って強化本部長職を退任したむね発表。21年シーズンの強化ポイントについては、後任の竹内弘明強化部長からの発表になる旨宣言された。

最後に「私事になるんですけども」と話し始めた庄子EAは「2002年から本格的に強化の仕事に携わってまいりまして、19年なんですけど本当にいろんなことがありました。そんな中で皆さんの協力があってここまで何とか全うできた、という風に思ってます。本当に感謝申し上げます。ありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。

○竹内弘明強化部長
庄子EAに紹介され挨拶に立った竹内弘明強化部長は昨季を振り返りつつ「他のチームは必死に打倒フロンターレということで立ち向かってくると思います」と新シーズンの厳しさを予想しつつ「我々に求められるのは常にチームの成長だと思いますし、日々成長を続けなければいけない」と述べている。

チームの目標はリーグの連覇とACLの初制覇。さらに「その他のタイトルについても、これは全力で戦っていきます」としている。また、そのために意識するものとして二つの進化について言及している。一つ目がACLでの戦いの中でのチームの成長。もう一つが継続性とのことだった。

また、チーム編成については3つのポイントにフォーカスしたとのこと。
1つ目が、選手の入れ替えを踏まえた上で、戦力を整えるということ。
2つ目が、既存の選手に勢いを与えられる選手の選択。
3つ目が、2年後3年後を見据えた編成だとのことで、新たに加わる選手について説明があった。

シミッチ、小塚和季、塚川孝輝、知念慶、遠野大弥、宮城天、田邉秀斗、橘田健人の各選手が紹介され、総勢29選手で迎えるシーズンになる旨発表された。

竹内強化本部長は最後にアカデミーとの連携について「有望な若手」をいかに「トップにつなげるか。これが最大のポイントだと思ってます」と述べアカデミーとの密接な連携の重要性について説明がなされた。

なお、伊藤宏樹の強化部長への昇格が合わせて紹介された。

○鬼木達監督
続いて説明に立った鬼木達監督は苦しい社会情勢の中、チームを支えてくれたサポーターの応援があったからこそ「複数タイトルというものに繋がったと思ってます」と発言し「これに関してはほんと感謝しかないので、改めて本当にありがとうございました」と感謝している。

その鬼木監督は改めて今年の目標について以下のように言及。

「リーグ連覇。これを軸にもう一つは、やはりACLの制覇というものにチャレンジしていきたいと思ってます」

その一方で鬼木監督は、過去JリーグではACLとリーグの同時優勝がなかったとその難しさを指摘。またフロンターレのACLでの最高順位について「ベスト8というものがね、まだそこまでの実績しかないですけども」と述べる一方、昨季のJリーグのチャンピオンであり「私たちやっぱりね、川崎フロンターレなので」と言及して「やっぱり魅力あるサッカーをして、とにかくその目標に進んでいきたいと思ってます」と攻撃サッカーへの矜持を示していた。

「私たちやっぱりね、川崎フロンターレなので」

鬼木監督、さすがです。

続いて新加入選手の自己紹介が行われ、最後にサプライズ人事の発表と続いた。

○田坂祐介スカウト
サプライズは、昨季を最後に現役を引退した田坂祐介のスカウトの就任。

田坂はめぐり合わせに感謝しつつ「フロンターレファミリーに入れたということで、自分自身を嬉しく思ってます。またみなさんに愛されるような選手を自分が見つけて来れるよう、がんばってきたいと思います。よろしくお願いします」との決意表明があった。

(取材・文/江藤高志)

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