「川崎フットボールアディクト」

【インタビュー】「天皇杯の収入は育成年代のため、また協会の運営費として使う事になります」(八巻哲男・特定非営利活動法人川崎市サッカー協会理事長)(1/2)

■天皇杯のチケット収入は育成年代に
--例えば今、市協会さんに天皇杯の収入として200万円入るとしたら、やりたいことがかなり実現できることになるんでしょうか?
「そうですね。今、我々は特に育成の方に力を入れていて、フロンターレさんにも協力を頂いて川崎アカデミープロジェクトという活動をやらせてもらっているんですね」

--フロンターレの川口良輔さんなどがやられている活動ですね。
「そうです。川口さんにもお手伝いいただいて、我々は技術委員会の事業として、技術委員会のメンバーや4種(少年)3種(中学年代)2種(高校)に登録しているチーム関係者の協力でやってるんですが、ここにお金が結構かかります。また今年は川崎市が韓国の富川市との友好都市提携20周年ということで、サッカーで交流をできませんか、という提案を頂いて友好交流の大会を実施しました。そこで川崎市内のクラブチームによるU15選抜(中体連いわゆる中学の部活のチームとフロンターレを除く)とフロンターレのU15とが、来日した富川FCのU15とともに等々力をお借りして大会を行いました。これをきっかけに育成年代の子どもたちに少しでも国際的な試合をやらせたいなと。そうすれば、今度は行く場合も出てくる。そうした育成の国際的な連携にも使えるようになる。
色々とやることはたくさんあります」

--あればあるだけありがたいと。
「そうですね(笑)。川崎市の協会というのは周辺の市などの協会と比べると登録費が安いんですね。近隣のサッカー協会の場合、社会人の選手登録費を2万円にしているところもあります。ただ、我々は1万円ということであまりそこの収入が多くありません。ですから天皇杯のような大会は我々の大きな収入源になりますので、できればより多くのお客さんに来ていただければと思ってます」

--切実な理由もあるわけですね。
「これは収益事業になりますので、税金も30%徴収されますし、なかなか大変です。
基本的に等々力は市のものになります。そこでフロンターレのゲームに限り、我々が運営させていただきます、という条件で担当しています。つまりフロンターレが勝ち上がらないと、ここでやれなくなってしまう。ですから我々とすれば、ぜひとも勝ち上がっていただきたいと思っています。そうすると、少しでもうちの収入が増えるという事になります。
ただし、日程の都合でフロンターレに関係なくここでやった事はありました」

--そうすると地方同士のクラブの対戦になると辛いですね。
「それはありますね。
天皇杯は、準決勝が3万人以上のスタジアムでという条件があります。ただし準々決勝までは等々力で開催することはできます。ですので、準々決勝くらいまでに行けば、フロンターレのサポーターが凄く熱心なので2万人くらい行くんじゃないかと期待しています。そうすると育成にもお金が回せるようになって非常にありがたいですね」

--来季トップ昇格の田中碧や三好康児など、地元川崎市の子どもたちが活躍する可能性も増えますね。
「そうですね」

その2に続く

(取材・構成/江藤高志)

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