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松本拓也、最後まで貫いたプロフェッショナリズム【Special Column】

 

印象に残る笑顔。撮影:後藤勝


 松本拓也の契約満了による退団が決まった。コロナ禍に見舞われた2020シーズン、J3に降格して初年度のFC岐阜へとやってきてここまでチームを支えてきたゴールキーパーだけに、このお別れには感慨深いものがある。
 
 1989年2月の早生まれ。同じ早生まれの権田修一とともに各世代の日本代表に選出されてきた松本はジュビロ磐田ユースから順天堂大学を経て湘南ベルマーレでプロデビューを果たすと、複数のJクラブを渡り歩いてきた。ただ、決して順風満帆だったわけではない。常に主戦級だった印象の強い前所属のブラウブリッツ秋田ですら、ポジション争いの結果スタメンから外れたこともある。足もとの技術や守備組織を計算に入れたセービングで活躍した岐阜でも1シーズンを通して全試合に出場するという年はなかった。それでも、いつもチームで重要な位置を占めている選手だった。
 
◆練習場が一番の仕事場
 
 2023シーズンは開幕から6試合に出場したが以降は出番がなく、第10節カマタマーレ讃岐戦で一度ベンチに入った以外はメンバー入りなし。ただ、第33節カターレ富山戦で久しぶりにサブメンバーとなった松本は以後、ベンチからチームを鼓舞してその役割をしっかりと果たそうとしているように見受けられたし、ピッチ外の活動にも協力的だった。もちろんグラウンドでは常に練習に打ち込み、ゴールキーパーグループの質を維持する役に立っていた。そしてJ2昇格の可能性がきわめて薄くなったシーズン最終盤でも、モチベーションは落ちていなかった。
 

練習に打ち込む。撮影:後藤勝

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