「J2第34節愛媛戦の中止から考える2つのこと。迅速なPCR検査態勢がなければJリーグのプロトコルよりも行政の判断が優先される」【コラム&インタビュー】
Jリーグのプロトコル上は可能でも行政の判断で中止となった初めての試合
愛媛の選手(1人)が新型コロナウィルスに感染していることが分かり、濃厚接触者を特定して試合開催の可否を決めるというのが試合前日・11月14日(土曜日)の関係者レベルの話。甲府のチーム・関係者は試合前日14日夕方に愛媛県入りしてから感染の話を聞かされたそうで、そのまま15日の早朝にかけて両クラブの関係者(当該保健所の関係者も含む)が話し合った。甲府としては、感染した愛媛の当該選手と保健所が濃厚接触者と判断した選手(4名)・スタッフ(1名)を除いた愛媛の選手・スタッフとの試合は、「(愛媛の選手・関係者全員がPCR検査を受けられていないことに不安は感じていたものの)我々は”試合をやる”という意思表示はしていた」(伊藤彰監督)ということだった。
そのなかで「(愛媛の選手・スタッフ・関係者全員がPCR検査を受けられていない状況では)”試合に出たくない”という選手がいれば(尊重して)外すしかない」と伊藤監督は考え、15日の試合当日もギリギリまで準備をしていた。愛媛が当該選手と特定した濃厚接触者を外すことでJリーグのプロトコル上は試合開催が可能で、甲府も愛媛もやりたかったけれど中止が決定。愛媛FCのHPを見ると「愛媛県知事より愛媛FCへ、正式に試合中止についての強い要請があったために、試合中止を決定しました」とあるように、最後は愛媛県知事の要請を受けての中止となった。この流れはよくありそうな流れで実はJリーグにとって初めての流れで、シーズン終盤に感染流行の第三波が大きくなってしまう事態になれば――Jリーグのプロトコルによる判断ではなく――行政の判断で試合開催の可否が決められることが増える可能性も想定内にしないといけなくなる。
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