山梨フットボール

普段なら聞くのを躊躇う質問ができる雰囲気だった山本英臣インタビュー「先が見えない不安は感じたけれど、先のことは考えず、自分ができることを・・・自分と向き合っていこうかと思います」【コラム&インタビュー】

練習終了後、ピッチで黙々と身体のケアのストレッチや自重を使う筋トレを行う山本英臣。自粛期間中はトレーニングに並行してスポンサーや普段世話になっている飲食店のテイクアウトを注文して、サポートしたい気持ちを伝えたそうだ。

「まだボール扱いは大丈夫だなぁと思って(笑)。まだ負けないなぁと」

――J2リーグ戦の再開日が6月27日(土曜日)に決まりました。この決定を聞いてどんな感想を持ちましたか?

40歳になってるなぁと(笑)*6月26日が誕生日*

――2~3週間前なら7月12日再開説が有力でしたが、”少し早いなぁ”という気持ちにはなりませんでしたか?

僕は(準備期間が)1か月くらいかなぁと思っていたので大きくはズレていないですが、これから練習試合や試合形式のトレーニングをやって体力的、戦術的な課題が出ると思うので、この点はチーム全体でクリアにしながらやっていかないといけないと思います。

――今回の経験は誰もが初めて。読めないことが多いシーズンになりますが、読める点はどんなことですか?

(J3)降格がなくなったのでアグレッシブになることは予想できるけど、過密日程になるから全部をアグレッシブには戦えないと思います。勝っても負けても同じ方向を向いて最後まで戦い抜くことが大事だと思うし、自分たちが信じたことを曲げないで・・・監督がやろうとすることを信じて最後まで貫くことが大事だと思います。

――全ての選手にとって大事な1年ですが、もうすぐ40歳になる山本選手にとっては若い選手の1年とは意味が違うと思います。その1年が新型コロナ禍で想像できなかったくらいイレギュラーなことが起きていますが、どう受け止めていますか?

世界的なことで、こういうことは起きてほしくなかったし、起きてはいけないことで大変だけど、その中で自分が現役でいられて、努力ができて・・・こんなに読めないコンディション調整のやり方は経験したことがなかったし・・・こういう経験をパワーに変えて次の世代の人に伝えることも大事だと思います。

――走りが中心の自主トレ期間の練習とグループ分けがあってもボールを使う練習では山本選手の元気度合いというか、明るさというか・・・ボールを使っているときは凄く楽しそうな表情に見えました。素走中心の練習を若い選手と同じ量や強度でやるのはきつそうに見えて不安な気持ちにもなりましたが、ボールを使い始めると不安を感じさせないプレーぶり。やはりボールがあるということは大きな違いですか?

まだボール扱いは大丈夫だなぁと思って(笑)。まだ負けないなぁと。玄人が分かるパス出しとかを見るのが楽しかったし、自分が意図した通りに動いてくれて、そこにパスを通せると楽しい。それがサッカーの醍醐味だし、僕が一番好きなところ。

ボールを使う対人要素が入るメニューになると山本英臣の経験やインテリジェンスが大きくモノを言い、若さを凌駕するシーンが増える。そして、何よりも山本自身がもの凄く楽しそうにプレーすることで年齢を忘れさせる。

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