ヴォルティススタジアム

【磐田vs徳島】レポート:チャンスを決め切れなかったが故の敗戦。 ヴォルティスはもったいない形で白星を逃す。(1975文字)

しかし同点も束の間、またしてもヴォルティスはジェイの個の力にしてやられる。その僅か1分後にゴール至近距離へ入り込まれてボールをキープされると、そこからの反転シュートでまたもネットを揺らされた。福元洋平が振り向かせないようかなりタイトに張り付いていたにもかかわらず、だ。
その上今度はもうひとりの強力外国人、アダイウトンに力を見せつけられた。75分、パワフルなドリブルでバイタルエリアへ持ち込まれて3失点目に繋がる決定的なラストパスを出されてしまったのである。3人がかりで厳しく止めにかかっていたのに…。「ボールを取り切れなかった。今までとは違う。レベルが一個上でした」とは濱田の弁だが、そのコメントからもアダイウトンのドリブルの凄まじさが伝わってくる。

こうして磐田の個の力に2点のリードを奪われたヴォルティス。結局残り時間での反撃も実らないまま終了のホイッスルを聞くことになったが、改めて振り返っても勝負の行方についてはチャンスを多く作った前半をノーゴールで終わってしまったことが何より痛かった。小林伸二監督も試合後会見で「3失点しましたが、それ以上にチャンスは作れていたので、逆にチャンスをものにできなかったと捉えた方がいいと思う」と語っていた通り、それがこの一戦の最も大きな敗因であったのは間違いないはずだ。

天皇杯などを挟むためリーグは3週間の中断に入る。それが明ければ残り12試合、待ったなしで大詰めへ突入。ヴォルティスにとっては1つも負けられない背水の陣の戦いが続くこととなる。そこでの奇跡的追い込みを現実のものとするためにも、チームには今節の反省も糧にしたもう一段の成長が求められよう。選手たちは諦めない気持ちをこれまで以上に強く持ち、明日からまた頭を切り替えて、クライマックスに向けた準備を全力で行わなければならない。

reported by 松下英樹

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