【磐田vs徳島】レポート:チャンスを決め切れなかったが故の敗戦。 ヴォルティスはもったいない形で白星を逃す。(1975文字)
■2015明治安田生命J2リーグ 第30節
8月23日(日)磐田 3-1 徳島(18:04KICK OFF/ヤマハ/9,435人)
得点者:52’ジェイ(磐田)58’濱田武(徳島)59’ジェイ(磐田)75’太田吉彰(磐田)
※試合ハイライト(スカパー!公式)
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今節も上位を叩いてさらなる浮上を──。そう誓って乗り込んだヤマハスタジアム。選手たちはその意欲を体現するように積極的かつ攻撃的なプレーをピッチ上で披露して見せた。
だが、そうした内容の戦いで勝利の女神を振り向かせかけるも、結果として微笑ませるまでには至らず。ヴォルティスは第7節(水戸戦)以来の3失点を喫し、残念ながら磐田に敗れることとなってしまった。
戦いの内容は、間違いなく評価できるものであった。特に前半は、東京Vを撃破した前節の勢いそのまま、ゴールを目指す姿勢を強く出して非常にいい攻撃の形を作り続けたと言えよう。
事実、磐田に冷や汗をかかせたのは一度や二度ではない。まず12分にキム ジョンミンが磐田DFライン裏を上手く取って抜け出しGKと1対1のビッグチャンスを掴むと、続く16分にも大きな決定機。ペナルティエリア内で津田知宏とコンビネーションを見せた衛藤裕が寄せてきたマーカーを鋭い切り返しで外し、コースも文句なしのフィニッシュを放った。そしてその後もヴォルティスはどんどんと攻勢を強める。23分、素晴らしいインターセプトからボールを持ち上がったエステバンのスルーパスをキム ジョンミンが受けて強烈なシュートで再び磐田ゴールを襲えば、31分は直接FKから。濱田武が完璧にコントロールしたボールを枠内に飛ばした。また42分には左サイドでのパスワークから衛藤が奥のスペースを取って折り返し。チームは組織的連携でも好機を生み出したと言えるだろう。
ただ、結論から言うと、前半のそうしたチャンスをモノに出来なかったことが最終的な勝負に響いた。確かに二度もゴールポストに嫌われたのは不運だったし、磐田のGKやDFのファインプレーもあったが、やはり得点機を逃し続けた時には厳しい結末が待っているもの。サッカーの世界でよく言われるそのシナリオにヴォルティスは残念ながら陥ってしまったと言わざるを得ない。
実際迎えた後半、最も警戒していた磐田の個の力によって選手たちは一転苦しい戦況を強いられることに。52分、現在J2得点ランキングトップをひた走る磐田のジェイに、30mはあろうかという距離から猛烈なスピードで地を這うようなシュートを叩き込まれたのである。「もう少し誰かがボールに行ければあんなフリーで打たれる事もなかったと思います」という濱田の言葉からも分かるように、日本人選手ではシュートの選択肢をほとんど考えない位置からのまさかのひと振り。そう表現するしかない。
それでもヴォルティスは前半のいい流れを何とか繋ぎ、6分後にはしぶとく同点に追い付く。アレックスが左サイドを深くえぐって入れたセンタリングのクリアボールをバイタルエリア中央で拾った濱田が落ち着いたミドルを決めたのである。まさに本戦プレビューで述べた磐田の守備の問題点をしっかり突く形。サイドをえぐられた磐田守備陣は中央の位置をケア出来ておらず、ボールを拾った時の濱田は嘘のように全くのフリー状態であった。