満田誠/サムライが生きる場所
角度が全くない位置だった。ほぼゴールライン上だったといっていい。
見ていた人々はみんな「クロスだ」と感じた。だが、一人だけ、違う感性を持っていた男がいた。
強烈な右足。シュートは地を這う軌道であっという間にゴールネットに吸い込まれた。
「ブラボーッ」
ミヒャエル・スキッベ監督は絶賛。拍手も起きた。
シューターは満田誠。少しだけ笑顔を見せた。ちょっとはにかんだような、照れくさそうな。3月27日のトレーニング、シュート練習での出来事だった。
「シュートのフィーリングは、悪くないです」
トレーニングの後、満田はいつもどおり、ニコリともせずに語った。
「ああいうシチュエーションでもシュートを狙うのは、満田誠らしい」
そう聞くと、やはり表情を動かさずに。
「ポジションと中の状況次第ではあるけれど、ああいう場所からでもシュートは狙っていきたいですね。もし弾かれても、こぼれ球に(誰かが)詰めていれば、それでゴールなので。そういう形も狙っていきたい」
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