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エゼキエウ/家族と共に歩いてきた

秋まっさかりとなってきた吉田サッカー公園に、天使が舞い降りた。背番号14の小さなシャツを着たその天使は芝生の上で、一生懸命、歩いていた。そしてパパを見つけると、一目散に走って飛びついた。エゼキエウは愛する息子をしっかりと抱きしめる。昨年9月28日、愛息・エドゥアルドが生まれて、もう1年1ヶ月もたったのか。

「子供が生まれて初めて、僕は本当の愛を知ったんです」

当時、エゼキエウはこんな言葉を発していた。

「昨年、僕はとにかくケガが多かった。シーズン当初に負った足のケガ(右足関節)が思っていたよりも悪く、生まれて初めて手術を受けないといけなくなった。どうしても気持ちが不安定になって、ポジティブに考えられなくなっていたんだ」

その時、愛妻が妊娠してブラジルに戻っていたことが、エゼキエウを救った。

「自分が近くにいることで彼女の不安もなくなったし、僕もとても助けられた。ケガの連鎖による不安がなくなり、前を向くことができたんだ」

9月28日、子供が生まれた時、エゼキエウは泣いた。感激のまま、クラブハウスを出た。

その時、チームはトレーニングの真っ最中。彼はミヒャエル・スキッベ監督の配慮によって、生まれたという連絡が来るまでクラブハウスの中で待機することができていた。

彼の涙を見て、チームメイトは全てを察した。自然と拍手が起き、そして新しく父になった男を次々と抱きしめた。

「僕のケガなんかよりも、子供の命の方がよほど大切なんだ。子供のためなら、自分の復帰が先に延びたとしても、構わない」

(残り 2582文字/全文: 3220文字)

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