川村拓夢/タクムノエガオ
どうして、決められないのか
「川村拓夢くんのいい笑顔が、あまり撮れないの」
SIGMACLUBカメラマンの言葉に、はっとなった。
たしかに写真ロールを見ても、川村の笑顔は少ない。勝利の喜びや得点の歓喜の時は、やはり笑ってはいるが、どこか違う。何かが違う。
もともと、それほどたくさんの笑顔を浮かべる選手ではない。全く笑っていないことはないし、特に気にすることもないのかもしれない。しかし、SIGMACLUBのカメラマンがしきりにそのことを話してきたし、筆者も確かに気になっていた。
もしかしたら、気にしているのか。得点を決められていないことを。
3月21日、吉田サッカー公園で彼に声をかけた。居残りでトレーニングを続け、コーチと話し込んでいた後のことだ。
「今の状態はどうですか?」
川村、ちょっと苦笑い。
「悪くないですけど……、でも、やっぱり」
この切り出した言葉から、彼が言おうとする内容は、直感でわかった。
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