【サンフレッチェ広島レジーナ 1-0 ニッパツ横浜FCシーガルズ】皇后杯初戦、塩田満彩のスーパーゴールで勝利/監督・選手コメント
昨季はいつも自信なさげに振る舞い、「みんなの邪魔をしないように」と遠慮していた塩田満彩が、チームを救った。41分、雪が舞い散る中で塩田の右足から放たれたボールは、約30mの距離を飛び込え、ネットの中で跳ねた。
チャンスをつくりながら、どうしてもゴールできなかったサンフレッチェ広島レジーナにとって、まさに値千金。後半も相手のカウンターを何度か受けたものの基本的にはゲームを支配し、74分にはオフサイドで取り消されたが木﨑あおいの「幻のヘディングゴール」も飛び出した。
1-0。最少得点差ながら、試合そのものは完勝。なでしこ1部のニッパツ横浜FCシーガルズを下し、サンフレッチェ広島レジーナはベスト8に進出。1月15日、カンセキスタジアムとちぎで日テレ・東京ヴェルディベレーザと対戦する。
中村伸監督/次のステージに行くことを目標としていた試合
中村●今日の試合で振り返るところはたくさんありますけど、一番の目標は次のステージに進むこと。そういう意味では(塩田満彩が)狙ったシュートかどうかは分からないですけど(苦笑)、前半のいい時間帯に点をとって、後半は時間を使ってチャンスを何シーンか作りながら、ゲームを進めた。相手の闘志や攻撃の狙いとしている部分をしっかりと消しながら戦い切れたというところは、評価したいというふうに思っています。
……期待してずっと使い続けていた塩田選手が結果を出したということについて。
中村●攻めて行く姿勢を選択肢としてできることですね。徐々にですけど、少しずつですけど、そういう力を出し始めてくれている。そういった意味では、(ゴールという)結果が出たのは良かったかなと思っています。
……増矢理花選手の状態、感覚と言いますか、かなり戻ってきたんじゃないかと思います。
中村●そうですね。元々、彼女はリズムをつくれますし、最後は決定的な仕事もできる選手ですけど、先ほど話されたゲーム感覚というか、ゲームの中で(自分のプレーを)どう使い分けるかってところを、時間かけながら戻していってくれたらいいなと思っていた。少しずつですけど、彼女らしさを出せるようになってきたかなという印象ではあります。
……次のステージはまた来月になりますけども、その前にはWEリーグがあります。来週の新潟戦に向けて。
中村●ホームで戦えるので、欲を言えば積み上げてきた部分を見せて、自分たちが主導的にやれるような場面っていうのを攻守両面で作っていきたいなと思います。ただ、今シーズンは結果にもこだわっていこうということを選手たちに話しています。内容と結果、両方を求めてやっていきたい。もう少したくさんのゴールと勝点3を皆さんと共有できたらなと思っています。
……雪もあって厳しいコンディションでしたが、試合前に何か言われましたか。
中村●ゲームができることを楽しもうと、言いました。こういう環境でもやるのがサッカーやし、それを示す必要もある。(雪は)相手も同じだし。その中でやることをどれだけ楽しめるか、そういう部分で相手を上回れるか。この環境を自分たちの味方につけられるかというところが、やっぱり大事になる。その辺は前向きに入ってもらいました。
……実際に楽しんでいる様子でしたか?
中村●自分自身がだいぶ凍えていたので(苦笑)、楽しめてたかどうかは聞いてみないと分からない。ただ、やるべきことをしっかりと自分たちで、ピッチの中でも声を掛けてやってくれている場面は増えてきた。そういう意味では間違いなく少しずつですけど、自分たちで(手応えを)つかんでくれていると思います。前向きに捉えられるような状況になってきているかなと思います。
……改めてですけど、チームにとってこの皇后杯のタイトルの意味。
中村●やる側は当然一番を目指してやるべき大会だと思いますし、そういう意味でも今日の試合の目的は次のステージに進むことだし、大会としては一番上を取ること。そこを目指してやっていくべきかなと思います。
……相手の特長を消しながらということをおっしゃられましたけれども、どういう対策が取られていたのか。
中村●相手は前の推進力があるし、そこはチームとしても狙いを持って攻撃してきます。前線に特長のある選手、両ワイドのスピードのある選手はすごい力強さもありましたので、そこを思い通りにやらせないような対応をチームとして意識してやる。ゲームの中でもそこはしっかりとしてくれたかなと思っています。
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