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【PRIDE OF HIROSHIMA】永井龍/真摯な努力を続けられる理由。

サッカー選手にとっての「仕事」とは、試合で勝利に貢献することだ。試合に出られないということは、仕事を与えてもらえないことを意味する。昔風でいえば「窓際」と表現されても仕方がない。

そんな状況に追い込まれた時、どう振る舞っていくか。苦しい時こそ、人間力が問われる。

それは練習をしっかりとやるということだけではない。周囲に暗い雰囲気を伝えないこと、いつもどおりに明るく周りに接すること、自分を研鑽して磨き上げること。今の自分に何ができるかを探し、チームのためにできることをやること。

言葉では簡単。こんなことは建前にすぎず、普通はできない。試合に絡むことができず、試合の時に家で過ごさねばならない屈辱。会社に行って、ただ机の前に座って何もすることがないのに、部署の雰囲気を悪くしないように明るく振る舞うなんて、普通はできない。プロ選手だって、同じである。

だからこそ、それができている選手に対しては、無条件で尊敬したくなる。その一人が、永井龍だ。

一時、ケガで離脱してしまい、別メニュー調整を余儀なくされていたのだが、その時も含めて彼の周りにネガティブな空気が流れることは、ない。「ない」と断言していい。

表情は常に明るい。練習は常に全力。チームのためにやるべきことを必死でやり、メンバー外になっても下を向かず、試合に出る選手たちを明るい表情で励ます。声をかければいつもどおりに明るい表情で、前向きな言葉を発する。

プロとして続けていくことは大事ですし、チャンスに繋がると信じてやるしかない。チャンスが来ても来なくても、プロとしては続けることが大事かなと思います」

永井はそう言うが、それができていない選手がいかに多いことか。

(残り 1301文字/全文: 2006文字)

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