【編集者ハック】iPadPro12.9インチは編集者の必須ツール③/アイディアや企画の整理
WEBの編集者も同様だとは思うが、僕のような雑誌の編集者は特に「手書き」が重要になる。
アナログだろうがデジタルだろうが、雑誌をつくる時に必須なのはアイディアだ。ただアイディアを発露するだけではなく、整理することが必要である。
そもそもアイディアとはゼロから生まれるものではない。取材や資料にあたり、様々な情報をインプットした上で生まれるもの。だからこそ、整理が必要になる。
僕はライターとしては遅筆であり、よく編集者には迷惑をかける。書き始めると早いのだが、どうしても書きだしが決まらないとキーボードが叩けない気質だ。「長い文章を書くには」というガイドブックによくあるように、たとえばカードにキーワードを書いたり、取材メモを切り貼りしながら原稿を設計したりするタイプではない。書きだしが決まると、後は自分の発想に流れを任せて一気に書いてしまうのが自分のやり方だ。なので、とにかく書きだしが何よりも自分にとっては大切。そこに原稿の方向性が、読者に伝えたいことのコンセプトが、全てつまっている。そういう書きだしが書ければ、後は大きな問題ではない。ただ、そのとっかかりがなかなかできなくて、編集者に「申し訳ありません」ということになりがちだ。
原稿を書く場合は当然、取材が必要になる。かつてそのメモは必然的に手書きであったのだが、今はほとんどが音声、時には録画した画像になる。しかし、それをそのままキーボードで打つ(いわゆるテープ起こし)と、その「起こし」がそのまま原稿の形になりがちだ。インタビューであれば、話し言葉を書き言葉に変えるだけ。記者目線の原稿であっても、起こした言葉を散りばめてそこに何かしらの情報を散りばめる。それで原稿の体を為したかのように考えてしまうのだが、そうやってつくってしまった記事の大半が、自分では面白くないように思ってしまう。
そこで、手書きが威力を発揮する。取材したコメントを1度手書きでラフに書き出すことで、意外と頭が整理される。この人が何を言いたかったか、言葉の中に潜む本質のところまで、手書きの字面を見ると考えるようになる。
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