【飛翔の季節】~松尾直人が語る2004年2ndステージ~ Vol.3「僕らがやるべきことは変わらなかった」
レジェンドが語る、あのシーズン。第三弾は、アルビレックス新潟が初めてJ1で戦った夏、ヴィッセル神戸から期限付き移籍で加入した松尾直人さんが登場。2004年セカンドステージを語ります。今回は念願のホーム初勝利、そして新潟県中越地震についてうかがいました。
■これだけ応援されて、ホームで勝てなくてどうする
――2004年セカンドステージのチームの強みが左サイドでした。3バックの左を務めた直人さんの一列前、ウイングバックの位置に鈴木慎吾さん(現浦和レッズハートフルクラブコーチ)、さらにその一列前、2シャドーの左にファビーニョが入る二段構えの推進力は圧倒的でした。
「あのときの前線は、本当に強烈だったと思いますよ。何より、チーム全体の役割分担がはっきりしていましたね。言ってみれば、後ろは後ろでしっかり守って前にボールを付けさえしたら、何とかしてくれるやろ、っていうところがあった。ソリさん(反町康治元監督、現日本サッカー協会技術委員長)も、戦い方を割り切っていたのかもしれないですね」
――十日町の当間キャンプを経て戦い方が明確になったチームは、セカンドステージ第1節の東京ヴェルディ戦は0-2で敗れましたが、第2節、イビチャ・オシム監督率いるジェフユナイテッド市原(現市原・千葉)に3-3で引き分け。そして第3節、神戸ユニバー記念競技場でのヴィッセル神戸戦で初勝利を挙げます。
「モトさん(山口素弘、現名古屋グランパスアカデミーダイレクター)が先制点を取った試合ですよね」
――ものすごいミドルシュートでした。
「そうそう。あれはすごかった。僕にとっては、初めての古巣との対戦で(※)、絶対に勝ちたいという気持ちがありました。チームにとっても、ファーストステージからホームでずっと勝てていない流れを変える、弾みを付けたい試合で。前節もジェフ相手にいい試合をしながら結局、引き分けだったし。だから神戸に4-3で勝ったのは本当にうれしかったですね。この勢いで早くホーム初勝利を、と思いました」
(※2002年に期限付き移籍したセレッソ大阪はJ2、ヴィッセル神戸はJ1だった)
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