ニイガタフットボールプレス

【聖籠ノート】シルビーニョ選手のプレービジョンと大局観

■手応えと改善点

勝点3を新潟に持ち帰れなかったのは本当に残念でしたが、持ち帰るだけの力がチームにあることを示した前節、柏レイソル戦での引き分けでした。2日間のオフを挟んだチームは、今日からトレーニングを再開。日立台での激闘は、間違いなくチームにポジティブなエネルギーを注入しています。

次のジェフユナイテッド千葉戦で5試合ぶりの勝利をつかむために。今週の準備は一段と活気づき、気合が入ったものになりそうです。

敵地で首位、柏の勢いに気おされることなく、先手を取ったのは我々、新潟でした。カウンターではなく、サイドを崩した結果のゴールだったことも、試合の入りでチームがどういう姿勢だったかを物語っています。

タイミングの良いスペースへの抜け出しと、冷静なクロスでレオナルド選手の先制ゴールをアシストしたシルビーニョ選手は、そこに手応えと、さらなる改善点を感じていました。

「攻撃的に試合に入れて、先制点を取れたのはとても良かった。だからこそ、柏の反撃を受けた後半、忍耐しながらも前半の攻撃のリズムをキープしたかった。そうすれば、勝ち越し点を取ることができたと思う。相手が強いときほど、守備の局面でゲームをコントロールしなきゃいけない」

■難しかった柏戦の後半

守備のオーガナイズについての話ではない。トップ下というポジションらしく、守備から攻撃に移る局面に注目して、シルビーニョ選手は自分たちはより良いサッカーができるはずだと主張します。

「後半、柏はフォーメーションを変えて、新潟がボールを奪って攻撃に移るところに、よりタイトにプレッシャーを掛けてきた。そこで忍耐力を発揮して、できるだけボールを動かしながら落ち着きを出したいと考えていたのだけれど、どうしても蹴ってしまった。それで自分のところを経由せず、直接レオ(レオナルド選手)にボールが渡るけれども、すぐに2、3人に囲まれてボールを取り返される。そういう難しさが後半にはあったんだ」

それにしても、後半はさらに見応えが増しました。柏のネルシーニョ監督は、新潟の攻撃力を削ごうと、ヒシャルジソン選手にシルビーニョ選手を厳しくマークさせてきました。

「ヒシャルジソンとはブラジルでも対戦したことがあるから、いずれ彼が厳しく僕をマークしに来るのは分かっていたんだ」というシルビーニョ選手。ポンチプレッタ時代には、ネルシーニョ監督の息子、エドワルド・バチスタさんとコーチと選手という間柄で共に仕事をしたそうです。そういう経緯もあり、ネルシーニョ監督がJリーグで豊富な指導歴を持ち、偉大な監督であることは分かっていたシルビーニョ選手は、リスペクトの気持ちを持ってプレーしたといいます。

「試合前は集中していたからできなかったけど、試合が終わってネルシーニョ監督にもあいさつに行って、互いに健闘を称えあったよ」

■活性化した攻撃を進化させるために

先制点をアシストしたクロスは、レオナルド選手がどこに、どういうボールを欲しがっていて、合わせる直前で立ち止まることまで分かった上での折り返しでした。「パスを受けて顔を上げた瞬間、レオのポジショニングを把握したよ。普段からコミュニケーションを取っているから、何がしたいか分かるんだ。練習の成果が、あのゴールにつながったよ」。

千葉戦を目指す競争には、2試合出場停止だった高木善朗選手が加わります。ブラジル人の連係が活性化させた攻撃を、さらに進化させるために。シルビーニョ選手は意欲をみなぎらせています。

「まずは、ひとりひとりが練習から全力を尽くすことが肝心だ。そして最終的に、今、チームに何が必要かを考えた上で、監督が最終的な決定を下す。自分はチャンスを続けて与えられるように、そして結果を出せるように、しっかり準備をするだけだ。この2試合はトップ下でプレーしているけれど、右サイドでも左サイドでもプレーできるし、求められるならFWでも行く準備をする。ヨシ(高木選手)とも一緒にプレーしているし、難しさは何もない」

reported by 大中祐二

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