ニイガタフットボールプレス

【高知キャンプリポート⑩】そのポジショニングから目を離すな!

2月14日(木)くもり

 

■現段階での準備の進み具合は?

高知キャンプも残すは明日、明後日のトレーニングゲーム(非公開)のみ。トレーニングのセッションは今日が最後となりました。

この1カ月間、片渕浩一郎監督の下、昨シーズンからの継続とアップデート、そして新戦力を取り込む作業が重ねられました。各選手が全力でアピールする中、ベテランの域に達した選手たちもそれぞれのペースできっちり仕上げてきたのは、さすがのひと言です。

フィールドプレーヤー最年長の田中達也選手も、その一人。今日のトレーニングの最後は紅白戦が2本行われ、最初の1本のみ、レオナルド選手と2トップを組んでプレーした達也選手でしたが、攻撃はもちろん守備でも献身的に走り続け、周りの仲間にさまざまな要求をし続けていました。

練習後、キャンプの手応えを聞くと、「まだ終わったわけではないので」と引き締まった表情で答えてくれた達也選手。同時に充実感が漂うのは、「去年と同じように、量をコントロールしながらでしたが、一度も離脱せず、最後までトレーニングをできた」から。開幕に向け、フィジカル面での準備をすることが、このキャンプの大きなテーマでもありました。

「サッカー的な部分は、これからゲームを重ねていけば上がっていく。その基盤づくりができました」

このキャンプの戦術トレーニングでは、チームで狙うスペースと狙い方を共有するためのメニューがいろいろと組まれました。新加入の選手にとっては片渕監督が目指すサッカーを知る作業であり、去年から引き続きプレーする選手にとっては、要点を思い出す作業となりました。

高知キャンプにおける継続とアップデートについて、達也選手は次のように話してくれました。

「フチさんが考えるサッカーは、とてもシンプル。裏のスペースを取り、人に厳しく行くというところを改めて徹底できたし、それプラス、自分たちが押し込んだときにアイディアを出しながら崩すところを、今、やっている段階です」

■動きが共有されてきた

相手の背後の取り方は、さらに磨く必要があると達也選手は見ています。

「どう背後を取るかは、相手あってのこと。キャンプで練習試合をやることで、『もっともっと裏を取らないと』というのを感じています。実際、練習でうまくやれても、試合でできないことはよくある。相手ありきであって、これから試合を重ねながら、どんどんやっていければ」

背後を狙う。相手が対応してきたら、それによって新たに空く別のスペースを狙う。重要なのは共有された一人一人のポジションの取り方で、そうなると「ポジショナルプレー」というワードに自ずと行きつきます。2019年、越後のマンチェスター・シティ化計画なのでしょうか……?

「マンCとは比べられないですよ(笑)。マンCのスタイルは僕らのサッカーじゃない。僕らの良さを忘れちゃいけないし、生かしながらじゃないと。

僕らは、基本的には縦に速いサッカー。プラスアルファのところを、今やっています。裏を取ることを忘れてしまったら、元も子もない。だけど、そうじゃないところを少しずつ取り入れていければ、いろいろな戦いができるんじゃないかな」

達也選手といえば、もともと熱烈なFCバルセロナ・ファン。そのバルサで選手としても監督としても大いなる成功を収めた名将ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティは、達也選手が今、最も注目するチームの一つです。マニアックなまでに試合映像を見る達也選手のこと。マンチェスター・シティの試合を独自に分析・研究して、自分のポジショニングに落とし込んでくれるはずです。

「けど、僕だけが動いても意味がないですからね。共有されないと」と、達也選手。そしてこのキャンプを通じ、共有されつつあるのは間違いないでしょう。いまだみんなの動きがバラバラだとしたら、練習中の達也選手からひっきりなしに、“ダメ出し”の声が飛んでいるはずだから。

最後に、達也選手の嬉しい“予言”で、高知キャンプリポートを締めくくるとしましょう。

「レオ(レオナルド)は点を取ると思いますよ。シュートがうまいから。だからあいつはゴール前にいさせて、それ以外のところを僕らがやってあげられれば。体も強いから、相手を背負ってもあいつらしいプレーができる。レオは点を取りますよ。僕も取ります。頑張って。頑張って、っていうのはおかしいな。このチームには献身性がそもそも備わってるので。自分らしく点を取る、かな」

2019年も、達也選手のポジショニング、プレーから目が離せません!

reported by 大中祐二

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