守りきれたこその2得点。らしさで難敵を乗り越える/J1 第5節 vs広島【レポート】
J1 第5節
3月19日(土)(14:03KICKOFF/Eスタ/7,544人)
広島 0 – 2 川崎
■記憶を乗り越える
大島僚太が帰ってきた。
難しい試合展開になっていた敵地での広島戦の後半67分。鬼木監督に送り出され、知念慶、宮城天とともにピッチに立つ。
「試合の雰囲気は楽しいですし。楽しかったなと思います」
そう、横浜FM戦以来5試合ぶりの公式戦を振り返る大島は、勝ち星が先行するチームでのプレッシャーも若干感じていた。
「どの試合も勝ちたいなと思いながらプレーしますけど、勝ってるチームなので。負けにならずに良かったなと思いました」
謙虚さも含めた発言だとは思ったが、後半に入り立て直しつつあった戦況を大島を含めた3枚替えでさらに手繰り寄せた形。そんなチームに流れを引き寄せる決定的な仕事がピッチに入ってから6分後のCKだった。
CKの際の狙い目について「適当です(笑)」と苦笑いする大島だったが、谷口彰悟が競ったことでオウンゴールを誘発するキックに。そこまでのCKについては脇坂泰斗が蹴っていたが、キッカーが大島に代わったこの場面、ベンチからの指示があったものと推察したが、実際はピッチ上での判断だったと大島。
「いや、ヤストがちょっと足に疲れがということだったので、蹴りに行きましたけど、ヤストがやっぱ『蹴ります』って来たんですが『ボールだけ取りに行くわ』って感じで取りに行って振り返ったら居なかったので、蹴りますって感じで蹴りました」
そんなやり取りがあったのかと思いつつ、CKを蹴ることをためらう程に脇坂が走り回っていたということにも気付かされた一言だった。
いずれにしても、苦しい試合だっただけに大きな先制点となった。
ちなみに大島の「適当です(笑)」という言葉が引っかかった別の記者が重ねて質問をしている。
「いや、ほんとに、、、」と述べて少し間を取った大島は「みんなどこにいるかなという感じで。何パターンか練習していますけど、普段蹴らないですし、ケガしてから怖いので。蹴ってなかったですし。なので、あまり力まずに蹴ったのが良かったかもしれません」と少し深堀りしてくれた。
確かに大島にとってCKは負傷交代のきっかけになるプレーでもあった。昨季の7月21日の天皇杯千葉戦。延長前半のCKの場面が思い出された。そしてその苦い記憶が、力みの抜けたキックとなり、それがゴールへと結びついた。
■前半無失点の価値
(残り 2703文字/全文: 3696文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ