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視覚障害者との観戦会を前に。大学生30名がブラインドサッカーと介助を体験【無料記事】

金沢は11月4日、第41節の大分戦にて視覚障害者の方を対象とした観戦会を実施する。これは誰もが暮らしやすいまちづくりを目指すFuture Challenge Projectの一環で、今年で3度目を数える。

 

当日はブラインドスポーツ体験会が開かれるのをはじめ、視覚障害者と大学生が共に楽しむ観戦会、さらには音声配信サービスを利用した実況・解説等が行われる。

 

本番を1ヶ月半後に控えた9月19日、このイベントに参加する大学生が金沢星稜大学に集まり、ブラインドサッカー体験会と介添え講習が行われた。

 

参加したのは金沢星稜大学と金城大学の学生30名。講師役としてツエーゲン金沢BFC(ブラインド・フットボール・クラブ)から2名が参加し、レクチャーを行った。

 

この日は座学と体験が一体となったような構成。まずは講師が自身や家族の体験をもとに視覚障害について説明。学生は個々によっての見え方の違いなどをメモしながら耳を傾けていた。

 

次にブラインドサッカーの体験会。まずはアイマスクを装着し歩くところから開始し、ドリブルやパスなどに移行。参加者のなかには視覚を遮断して動くことが初めてという学生も多数おり、視覚に頼ることができなくなったときの聴覚の重要性をあらためて認識していた。

 

その後は介添えの講習会。二人一組になり交互にアイマスクをつけての歩行や階段の昇り降りを体験。さらには椅子に座る場合やトイレでの注意点などについて説明を受ける。全員が介助する側・される側を実体験するなかで、どんなことが不安なのか、どんな声掛けやサポートがあれば安心できるのかを学んだ。

2時間の体験会終了後、金城大学2年の井後さんは「目隠しをして歩いているときは腕を組んでもらうことですごく安心できました。でも『いま(全体の距離の)半分だよ』と言われても(距離感が)分からなくて怖かったです。階段の昇り降りでは『あと何段ですよ』と言われるとわかりました」と、具体的な距離や数を示すことの重要性について言及。さらに「(障害のことなどは)聞かないほうがいいかなと思ったけれど、『気にせずに話しかけても大丈夫』と教えてもらったので、当日は自分からコミュニケーションをとっていきたいです」と、今回の体験を本番で活かしたいと意気込みを話してくれた。

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