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金沢U-15が高円宮杯初戦を逆転で突破【無料記事】

16日、高円宮杯1回戦で金沢U-15は横浜Fマリノスジュニアユースと対戦。開始早々に2点のビハインドを負う苦しい展開となったが、荒木叶瑠のハットトリックなどで逆転勝利を収めた。

 

金沢はコンディションを崩していた選手たちがかなり戻り、ベストに近いメンバーを組むことができた。強豪相手にも臆することなく、序盤から野田和空(13番)が積極的に仕掛け、さらに荒木(6番)が立て続けにシュートを放つなどアグレッシブな入りを見せた。

しかし6分に最初のピンチで打点の高いヘディングシュートを決められると、17分にも失点し、いきなり2点を追う展開となる。

 

前半の中盤は金沢が前からプレスをかけても逃げられることが多くなり、さらには荒木が「最初のほうは慌ててミスになっていた」と振り返ったように、マイボールになってからも前に運べない難しい展開が続いた。このままズルズルいけば大量失点も覚悟するような展開だったが、選手たちはたくましかった。

 

24分、立ち上がりから積極性を見せていた荒木の一発が流れを変える。

 

「狙ってはいたけど、そんなにうまくいくとは思わなかった。自分もびっくりした」という荒木の強烈な左足のシュートがバーの下部にあたり、そのままゴールに吸い込まれた。これまでの試合でも積極的に狙っていたが、「何本も打つけど全然入らなくて」という荒木。しかし、中学年代最後の大舞台で目の覚めるようなシュートを突き刺した。

 

以降は金沢がボールを奪う回数が増え、さらにはマイボールになったあとも失わずに開いたスペースを使えるようになっていく。39分には野田が右サイドをえぐったところから最後は澤蓮太郎がシュート。これはゴールマウスに入った相手選手にかき出されてしまったが、その直後に再び荒木が左足で突き刺して同点に追いついた。

 

これで完全に勢いに乗った金沢。その1分後にもボールを奪ったところからショートカウンターを仕掛けると、最後は青木勇斗のパスから荒木が決めてハットトリックを達成。逆転してハーフタイムを迎えることとなった。

 

後半に入っても最初に試合を動かしたのは金沢。49分、野田が相手陣深くに入ってクロスを送ると、これに永井杜和が合わせてリードを2点に広げる。

 

残りは30分。格上と言ってもいい横浜FMの猛攻が心配だったが、金沢は引きすぎず、防戦一方になることもなく、うまくゲームを進めていく。能力の高い選手たちに抜けられそうになっても、センターバックの横川天馬と長田圭人が素晴らしい対応やカバーリングを披露。キーパーの浦蒼太も落ち着いたセービングを見せてゴールを許さない。

 

60分にベンチに下がり、残り20分間はベンチから見守っていた荒木も「ゴール前では絶対に点をとられないようにと、みんな粘り強く守ってくれた」と仲間たちの体を張った守備を絶賛。最後はうまく時間を使いながら冷静に戦い続けた金沢が、4−2というスコアで勝利を収めた。

 

1週間前の名古屋との練習試合では寺中克典監督も「課題だらけ」という状態だったが、見事に立て直し5年ぶりとなる初戦を突破した金沢。明日は維新みらいふスタジアムにて、こちらも強豪の広島ジュニアユースと対戦する。

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