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雪の山口に散る。金沢U-15は2回戦で敗退【無料記事】

17日に行われた高円宮杯全日本U-15サッカー選手権大会2回戦。広島ジュニアユースと対戦した金沢U-15は後半に崩れ、0−4での敗退となった。

 

雪模様となった山口・維新みらいふスタジアム。この試合も立ち上がりは悪くなかった金沢。右サイドバックの敷田桐也が積極的に攻め上がり、青木勇斗がオープニングシュートを放つなど、うまく試合に入った。

しかし、前日の1回戦同様、最初のピンチで9分に失点。寺中克典監督も「ファーストチャンスはこっちにあった。決めたほうと決めないほうの差が出た」と話すなど、またも追いかける展開となる。

 

ここから雪が本格化。前半は「このままだと雪上サッカーになる」くらいの勢いで降った。

前半終了間際にはまたも敷田が深くえぐって最後はシュートに繋げたが、なかなかフィニッシュにいけずに前半を終了する。

 

左サイドをもっと機能させたかったのか、寺中監督は31分に早くも最初の交代カードである米倉生真を投入。さらに後半頭から前江田響輝を入れ、荒木叶瑠を左サイドに回すなど、局面の打開を図る。

 

しかし50分。後方の繋ぎのミスから失点してしまい、リードを広げられる。後半の立ち上がりも悪くなかっただけに、痛い失点となってしまった。

 

その後、62分にも右サイドをスルスルと抜けられたところから3失点目。終了間際にも失点するなど、合計4失点での敗戦となった。

 

成長と課題

 

スコアこそ0−4と完敗だったが、キャプテンの室屋吉壱は次のように感じていた。

 

「サンフレッチェはミーティングで動画を見ただけでわからないところもあったけど、やってみたら、できるなと思った」

 

1回戦の横浜F・マリノスジュニアユース戦も含め、最も懸念されたのは名前負けする、気後れすることだったが、室屋の言葉通り、そんな様子はこの試合でも感じられなかった。

 

寺中監督も言う。

 

「2年前よりも物怖じすることなく戦えるようになってきたかなと思う。選手は夏に比べても成長してくれた。夏は圧力をかけられたときに蹴って逃げてしまうところがあった。今日は2センターバックを含めて、跳ね返すだけではなく、ちゃんと自分たちのボールにしたのは大きいと思う。その結果、ああいう(2失点目のような)キーパーのミスが生まれてしまったということはあるけど、そこは選手の成長を考えれば(許容スべきところ)。逆に大きな成長を感じたところでもある」

 

チームとして戦えないほどの差はない。しかし、室屋が「最後(の局面)とサイドで1対1になったとき」と指摘したように、いい形をつくりかけても最後のところはやらせてもらえない。広島からすれば、怖い攻撃は数少なかっただろう。

 

「相手は(うしろの)4枚が固いから、なかなかそこを破りにいけなかった。最後にシュートを打つところでは正面に立たれて打てないということが続いた。クロスを上げらずにゴールキックというのもあった。ああいうところが鍛えられている」と寺中監督。1回戦のようにゴラッソで1点入ったりすれば展開は変わっていたかもしれないが、そのチャンスも与えてもらえなかった。

 

この2試合、選手やスタッフには、予想よりもできたという思いも、もっとできたという思いもあったようだ。それを踏まえて来年に向けての課題は何か。

 

「(今大会に)出た2年生が何もできなかったので、これで何を感じてどう変わっていけるか。県内レベル、北信越レベルで勝って満足しているような感じだったので、ある意味よかった」(寺中監督)。日常の練習・試合環境は恵まれているとは言えない金沢だけに、この貴重な経験をどう活かすかが重要になってくる。

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