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田中順也、TJと呼ばれる幸せの中にいた14年間。J2復帰の目標を後輩に託し、新たな道を歩む【田中順也現役引退ドキュメント/最終節直前から記者会見まで】

 

撮影:後藤勝


 2022シーズンからの2年間FC岐阜に在籍した田中順也が、今シーズン限りで大学卒業後14年間に渡るプロ選手生活を終えた。育成年代は三菱養和SC一筋。順天堂大学を経て柏レイソルでACL(AFCチャンピオンズリーグ)やFCWC(FIFAクラブワールドカップ)の舞台を踏み、日本代表に選出され、スポルティングCPでUEL(UEFAヨーロッパリーグ)に出場。このスポルティングでUCL(UEFAチャンピオンズリーグ)の出場機会がなかったことに悔いが残るが、しかしこれだけ広範な大会を経験した日本の選手はそうはいない。国内最大級のヴィッセル神戸に在籍したのち、FC岐阜へとやってきたときの驚きは忘れられない。
 
 現役引退を発表したのは11月8日のことだった。11月4日のJ3第34節ヴァンラーレ八戸戦では先発で76分間出場し、山内寛史と前線を組み3-1の勝利に貢献。好調を示していただけに、当然あと4試合すべての出場を目標に張り切っていたが、まさかの負傷離脱。それでもリハビリに取り組み、最終節のギラヴァンツ北九州戦に間に合わせた。最終週の練習に臨む“TJ”は気合十分。まさに張り切っているという言葉が当てはまる姿を見せていた。
 
◆岐阜の子どもたちがもっとFC岐阜に憧れるように
 
 第34節北九州戦を前に、田中は「やりきったという感じがある。最後の試合を楽しんで終わろう、と」と心境を語っていた。もちろん引退の感傷に浸るだけでなく、試合を楽しむだけでなく、岐阜が成長を続けていく過程の1試合としてのテーマを携えてピッチへ向かおうとしていた。
 
「大事にしたいのは90分で勝ち切るということ。それにはゲームをちゃんと読まないといけないし、チームが成熟する上でそこがまだまだ足りない部分なので、90分間でちゃんとゲームをコントロールして勝ち切り、その中で出来れば自分がゴールを獲って終わりたいなと思います」
 

撮影:後藤勝

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