山梨フットボール

「前半と後半は違う顔を見せたが決定力の差で徳島を下して“まずは”2連勝」【2019明治安田生命J2リーグ第27節 徳島0-2甲府 レビュー】

2019年8月10日 徳島0-2甲府(19:04K.O/鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム/入場者数4,987人/天候 晴れ 弱風/気温 27.9℃/湿度 75%)

得点者 19’ピーター・ウタカ(甲府) 90’+4内田健太(甲府)

△〇○○△△〇△●○△●●○〇〇△●○●●〇●●△○〇

「“決め切れない”からは脱却も、もっと決めないと連勝は伸ばせない」

ンバーを固定して半分上手くいって、半分大苦戦した試合。ただ、どっちに転ぶか分からない半分のところで決定力を活かして勝ち切ったことが素晴らしかったし、ホッとする勝利でもあった。試合翌日の徳島新聞に「縦パス1本で外国人がどうにかしてくれる甲府…」という文字があったが、そこは甲府よりも営業収益が約1億6千万円多い徳島が選択した選手構成で、ピーター・ウタカを残せ(さ)なかったクラブと獲得できたクラブの違い。甲府は大塚製薬グループのような安定したスポンサーがない厳しい経営環境の中でウタカを獲得し、ドゥドゥを戻し、エデル・リマをよく残せたし、日本人選手も加入時はあまりピンと来なかったが横谷繁、内田健太、武岡優斗、佐藤洸一、小柳達司ら“やれる”ベテランを中心に獲得し、置かれた環境でベストを尽くした補強だったと改めて思う。

DAZNで見返すと後半もそんなに悪くはない感じもするが、前半は甲府、後半は徳島のゲーム。試合の2日後に佐藤和弘に聞くと「よく点を入れられなかったと思います。入れられていたら雰囲気が変わっていた」とやれやれというような表情で話してくれた。内田は「後半そこまでやれられる気はしなかった。危ないシーンもそんなになかった。1-0の時間を長くすれば相手も焦ってくるし、前掛りになるから最後のシーンに繋がった」と話したので、ポジションや選手よって捉え方は違うが、記者席で見た印象は佐藤和と同じ。

半は4バックの徳島に対して甲府がほとんど仕事をやらせなかった。両WBが高い位置を取り、徳島のサイドを封じる時間が長く、ハイプレスも安定して躱せていた。19分のウタカのゴールは河田晃兵のロングボールからで、ウタカがヘディングでドゥドゥに落とした時は大チャンスの匂いがしなかったけれど、そこから決定機に繋げるのはここ最近の2人の凄いところ。ドゥドゥが右でドリブルをして引き付け、左のウタカに出してからが凄かった。DAZNのスローで見返したが、生で見たスピード感は伝わってこなかった。スローで何回再生してもスタジアムで見た”ワァオ“は分からないと思う。ボールをちょっと大きく前に出してからの初速が速く、そこからのシュートも速いモーションから低空を飛ぶ戦闘機みたいで、コースも正確。ウタカが「ものすごくパワーを使った」と話したが、MAXウタカの凄みを生で見た人は35歳のオッサンが今でもFWで高い価値を持っていることを理解したはず。

甲府のストロングサイドである左で大きく貢献した内田健太(左)とドゥドゥ(右)。ドゥドゥのタフなプレーは素晴らしかったが、倒れて痛がる回数が減ればもっと素晴らしい。

(残り 2218文字/全文: 3554文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ