山梨フットボール

興奮の中から生まれて言霊を持ってしまった「3連勝しなければ辞任」…覚醒を促すのか禍根を残すのか【コラム】

「興奮の中から生まれて言霊を持ってしまった『3連勝しなければ辞任』。覚醒を促すのか禍根を残すのか…」

 

独り歩きだと思った「3連勝しなければ辞任」の言葉

松本戦から一晩が過ぎて迎えた4月15日の練習。「3連勝しなければ辞任」という言葉がどこまで独り歩きをしているのかは分からなかったけれど、みんな少し冷静になったのではないだろうか…と、書き始めたのが15日。そこから悩んで悩んで、取材してちょっとずつ情報が入って、書き直してもう16日も終わろうとしています…。

選手もコーチングスタッフも切り替えて、次のルヴァンカップと週末のリーグ戦に向けて戦いを始めていた…少しは心の中に屈託を抱えて。あの言葉が出た状況も状況、受け止め方も人によって違う言葉。レポートや監督・選手コメントなどは、この原稿を書くのに時間がかかってしまったので今日の深夜から記事として更新する予定(意気込み)ですが、試合後のスタジアムで起こったこと、飛び交ったいろいろな言葉と感情、そして、スタジアムから誰もいなくなってからの受け止めと消化について先に書くべきだと思いました。

冷静になったときに生まれた後悔もあると思う。一時的に対立したとしても、思いやこれまでやってきたことの根本にあることはヴァンフォーレ甲府というチーム・クラブを愛する気持ち。あの言葉が散り散りになってどこまで歩いたのか…もう歩いていないのか…それは人それぞれ。でも、甲府駅北口ではしっかりと歩いているという雰囲気も…。

サポーターと同じ気持ちで戦えなかった松本戦――最も負けてはいけない相手に、相当に悪いタイミングで負けた――

2015年の松本戦3連敗の屈辱、悔しい思いをクラブやチームが十分に受け止めて戦えていなかったのかもしれない。いや、たぶんそうだと思う。涙を流して悔しがったファン・サポーターは強烈に覚えていたのに、クラブも現場もその悔しさと思いを受け継ぎ記憶できていなかった。「俺たちが忘れられない悔しい気持ちを同じように持って戦えたのか?」と聞かれれば、選手はベストを尽くしたが、答えは「イエス」ではないと思う。

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