ヴォルティススタジアム

【徳島vs岡山NE】レポート:7得点のゴールショーで順当に2回戦へ。ただリーグへの準備としては幾らか足りなかった一戦。(1995文字)

■第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会 1回戦
8月29日(土)徳島 7-0 ファジアーノ岡山ネクスト(15:00KICK OFF/鳴門大塚/1,224人)
得点者:29’廣瀬 智靖(徳島)39’津田知宏(徳島)42’長谷川悠(徳島)45+1’津田知宏(徳島)54’藤原広太朗(徳島)63’長谷川悠(徳島)70’衛藤裕(徳島)
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01スタメン
スタジアムに響いた得点を告げる場内アナウンスは7回。まさに雨中のゴールショーであった。7-0。ファジアーノ岡山ネクスト(以下 岡山NE)を迎えて臨んだ天皇杯1回戦、ヴォルティスはJ2の貫禄を見せつける大量スコアで危なげなく勝利を手にした。

と、そのような結果であったこの一戦については、2つの側面からゲームを見る必要があるだろう。その1つは、勝ち上がりを目指すトーナメントにおける戦いとしてどうだったか。天皇杯1回戦という単体の勝負についての評価だ。
そしてもう1つは、リーグ再開に向けての準備としてどのような内容であったかというところ。2週間後に再開されるリーグと結び付けてのプレーの確認である。

まず前者については、7得点完封、チームは見事な大会滑り出しを見せたと言っていい。
もちろんヴォルティスがJ2、岡山NEがJFLというカテゴリーの違いから組織力や個の能力に小さくない差があることは戦前から明確であったが、それでもこうした一発勝負は何が起きるか分からない。事実、岡山NEは下克上を起こそうと開始から非常に高いモチベーションを表現。そのエネルギッシュな動きと集中した守備対応によりヴォルティスはなかなか完全な主導権掌握にまで至れなかった。彼らのチャレンジ精神溢れるプレーに少なからず序盤は手を焼いていたと言えよう。
しかし、29分にクロスのこぼれ球を廣瀬智靖が叩き込んで先制すると、そこからはプレッシャーの取れたヴォルティスが力量差をハッキリ感じさせる戦い。岡山NEの頑張りは続いたものの、選手たちはマイボールになると一枚上手の連携と技術を活かした攻めを展開し、39分にシンプルな速攻から加点、前半終了間際には二度のサイド攻撃をどちらも実らせて結果ハーフタイム前に4点ものリードを奪ったのである。

さらに折り返した後半もチームは格の違いを見せつけるように得点を重ねていく。藤原広太朗がFKを頭で合わせた54分の5点目から、63分、70分には美しいグループ連動で形を作ってネットを揺らした。こうして終わってみれば大量7ゴール。選手たちはJ2の意地とプライドを存分に見せつけるスコアで勝利を収め、2回戦へ駒を進めた。
同日の他会場ではC大阪、群馬、栃木がカテゴリー下の相手にまさかの敗戦。一発勝負の難しさに足元をすくわれるJクラブが出た。そのような状況を考えれば、この圧勝がひとまず評価に値するものであるのは間違いない。選手たちには称賛を贈っていいだろう。

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