ヴォルティススタジアム

【徳島vs岡山NE】レポート:7得点のゴールショーで順当に2回戦へ。ただリーグへの準備としては幾らか足りなかった一戦。(1995文字)

さて次に目を向けるのはリーグに向けた準備という側面からだが、こちらに関しては正直少しモヤモヤしたものが残った印象だ。
それを感じたのは特に守備面。そこで具体的に気になった部分を挙げると、最初に、組織としてのボール奪取がやや緩かったことは否めないはずである。実際チームは前半から岡山NEに小気味よく中盤を繋がれる場面があったし、後半にはアタッキングサードでボールを持たれる回数も多かった。彼らのプレーがそれほど迫力あるものでなく、肝心なところでの精度を欠いていたことにより選手たちは危険性を感じていなかったのだろうが、それでも持たせ過ぎた感がある。福元洋平も「どんな試合でもまだまだシビアにやっていかないと」と振り返っていたが、リーグを見据えたならもっと激しさをもって早めの潰しを実践していくべきではなかっただろうか。

加えて、前半終盤で二度立て続けに見られ、後半にも近いシーンがあったロングボールへの対応はやはり見逃すことの出来ない課題である。このゲームでは何とかリカバーして事なきを得たものの、相手の質が上がればそうしたミスは必ず命取りに。誰が行くのか、どう対処するのか、声によるコミュニケーションをしっかり徹底し、チームにはそこでの曖昧さをなくすことが強く求められよう。

2つの目的意識をもっての戦いは決して簡単でない。けれど、それを必死の姿勢でやっていけばきっと成長を果たし、目指すものへの可能性も広がってくる。来週末には天皇杯2回戦が組まれ、相手はこの日と同様カテゴリー的に下のFC岐阜SECOND(東海社会人サッカーリーグ1部)と決まったが、ヴォルティスはそこでも駒を進める白星とリーグに向けたシビアな準備を追求しなくては。
ただし、対するFC岐阜SECONDは1回戦で下克上を起こした中のひとつ(群馬に2-1)。得ている勢いは大きいに違いないことから、ヴォルティスにとっての難易度は高まること必至と予想される。チームがそれをどのように乗り越えるのか、注目だ。

reported by 松下英樹

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