【サンフレッチェ広島レジーナ】松原優菜/壁に向かって
サンフレッチェ広島レジーナの練習取材に行くと、チーム練習よりもその後の時間の方が長い。
クールダウンを続ける選手。シュート練習を頑張る選手。フィジカルトレーニングやパスの練習をする選手たちもいるし、人工芝の上に座って談笑する選手たちもいる。男子の場合は、練習が終わればすぐにクラブハウスに戻り、そこから個々の時間(トレーニングも含めて)を過ごす選手もいるし、残る選手もいる感じではあるが、女子はずっと練習場にいる。どうしてそうなのかはわからないし、いい・悪いではない。
その間、筆者はずっと、待っている。インタビューしたい選手を広報に伝え、彼女たちがトレーニングなどが一段落するまで、ずっと待つ。記者もカメラマンも「待つこと」は仕事の1つだ。
その待っている間、自然と一人の選手の姿が目につく。
その選手は、ボールを蹴っている。
ボードに向かって、何度も、何度も。
他の選手たちが談笑していても、歓声をあげても、関係ない。
ただひたすら、何度も何度も、ボールを蹴っている。
その姿を見て、ある選手を思い出した。
2019年春、メンバーにも入れずに悔しさをかみ殺していた森島司だ。
彼はシュート。彼女はキック。
いずれにしても、ボールを蹴り続ける姿には、変わりはない。
彼女に話を聞こう。そう思った。
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