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【広島2-0名古屋】森島司/主張する10番への成長

森島司がボールをセットした。PA、そばではあるが、やや右側。右足では少し狙いにくいが、左足キッカーの浅野雄也はピッチを去っている。東俊希も蹴ることができるが、彼はボールから離れた。

森島しかない。

マスク越しに思わず、口をついた。

「モリシ、ねじこめっ」

少し長めの助走。右足を振り抜く。縦回転のボールは、ストンと落ちた。

ポスト。ランゲラック。そして、ボールはネットに吸い込まれた。

両手をあげた10番。今季5得点目は、直接FKゴールとしてはシーズン2得点目。J1通算8得点のうち3得点が直接FK弾となる。

広島史上最高のFKの名手は言うまでもなく、森﨑浩司だ。公式戦通算で直接FKゴールは14得点。2907年天皇杯・磐田戦では1試合でFKを二発、決めたことがある。しかし、その彼にしても、全得点に対する直接FKの割合は17%。森島は37.5%となる。もちろん総得点の母数(82対8)が違うので比較にはならないが、キャリアが浅い森島がいかにFKを決めているか、ということだ。

決して、高校時代からFKを決めていたわけではない。公式戦で決めたのが昨年の神戸戦が初めてで、FKゴールを意識して練習を始めたのも同時期時だった。それでJ1リーグ3得点。その才能と努力には、脱帽するしかない。

かつての森島には、「確かに上手いんだけど」という冠がついて回った。

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