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【SIGMACLUB9月号※立ち読み版】鮎川峻×土肥航大対談/夢と希望だけがあった広島ユース時代

 

君たちはどうして広島ユースに?

 

……今月は広島ユースから昇格したばかりのルーキー対談です。

二人●よろしくお願いします!

……今は二人とも試合に出られないけれど、現状をどう捉えていますか?

鮎川●チャンスはいつか来ると思っているんです。だから、いつ出番が回ってきてもいいように、コンディションを100%に保つのが大事なこと。

土肥●自分もシュンと一緒ですね。その上で、トレーニングで自分のプレーを出して、監督にアピールしています。自分がどれだけできるのか示したいと、常に考えてやっています。

……土肥選手はサイドやCBなど、いろんなポジションを経験しているけど。

土肥●本来はボランチかシャドーが希望なんですが、どこのポジションでも自分のプレーを出せればいいと思っています。

……鮎川選手は当初はサイドが主戦場なのかなって思っていたけれど、今はFWでのプレーが多いですね。

鮎川●やりたいポジションでチャンスをもらっている。かなり嬉しいです。

……カップ戦でチャンスがあるかも。

鮎川●チャンスをもらえたらそこで結果を残すだけ。リーグ戦にもからんでいきたいですけど、まずはカップ戦でしっかりとアピールできたらいい。

土肥●Jリーグにも出たいけど、カップ戦で結果を出して、Jリーグのベンチに入って、出場機会を増やしていきたい。

……さて、ここからは広島ユース時代の話です。まずは2人の出会いを聞きたいな。

土肥●俺とシュンは、練習参加が一緒だったんですよ。夏くらいかな。

鮎川●うん。

土肥●シュンの第一印象は、めっちゃドリブルができるなってことですね。相手をチンチンにしていたのを覚えてる(笑)。

鮎川●(笑)。

土肥●初対面だったので、お互いにあんまり喋っていなかった。初めて練習参加した緊張の方が大きかったから。

鮎川●1泊2日で寮に入らせてもらって、本当に緊張していたから。なんか、部屋にいても、何をしたらいいかわからない状況で、話し相手もいなかった。心細かったな。

……鮎川選手の出身は愛知県だけど、どうして広島ユースに?

鮎川●環境のよさですね。とにかくサッカーに集中できること。トップとユースがすごく近い距離でやっているので、常に刺激をもらえるかなと思って。

……土肥選手は大阪ですが、他に進路は?

土肥●静岡学園です。

……おおっ。名門。

土肥●選手権に出たいなと思っていたんですけど、中学の時のコーチに「サンフレッチェがいい」と言われて。きっと、どっちに行っても正解でしたね(笑)。

 ただ、自分の中で悩みはなかった。自分に合ったサッカーがやりたかったし、1番はどれだけサッカーを楽しめるか。プロになることができたので、結果としても自分の判断はよかった。

……土肥選手の第一印象は?

鮎川●いやあ、あんまり覚えていない(笑)。

土肥●えーっ(笑)。

鮎川●なんか、目の前のことに精一杯で。ただ、その後でいろいろと話をする中で、とにかく面白いなって(笑)。

土肥●いやあ、マジか。

鮎川●常に笑っていて、面白いことやっていて、元気だなと(笑)。

……土肥選手は目立っていたんだ。

鮎川●そうですね。

土肥●ど、どうかな(笑)。

鮎川●いやあ、目立ってた。

土肥●いやいや(笑)。でも、シュンは静かなタイプ。めっちゃ真面目やなと思った。

鮎川●へー(笑)。

土肥●俺も我が道を行って、みんなのリーダーとなっていた(笑)。

鮎川●(笑)。

 

沢田謙太郎監督に教わったこと

 

……2人とも沢田謙太郎監督(現ヘッドコーチ)にお世話になりましたが。

鮎川●とにかく熱い人ですよね。

土肥●熱い、熱い。みんなで沢田さんの真似、していましたもん(笑)。沢田さんってスイッチが入った時は、目をこうやって、グワーッてデカくさせるんよ。で、「球際!!」「ボールカバー!!」「ケツ、向けるな」って感じで(笑)。

鮎川●俺はやらなかった。

土肥●確かに、シュンはやっていなかったな。

鮎川●みんなに楽しませてもらっていた。

土肥●うん(笑)。

……沢田監督に特に言われていたことは?

鮎川●俺と航大は共通しているんだけど、ボールをとられた時に、まあまあのファウルで止めていたんですよ(苦笑)。

土肥●過激なファウルで。

鮎川●そう。それを怒られていましたね。たしか、航大も言われていた。

土肥●もう、毎日(笑)。ファウルなしでボールを奪うことが1番大事だと。高いレベルを求めるのであれば、ファウルなしで奪わなければならないということを沢田さんは教えてくれた。それは今の自分にも生きています

……沢田監督って情熱に満ちていて、激しい口調で怒ることもありますよね。

土肥●凄いっすよ。

鮎川●でも意外と、自分たちには免疫がついていて(笑)。それが普通みたいに思っていた。

土肥●少しでも優しくなったりすると「めっちゃ優しいやん」ってなる(笑)。もちろん、自分が叱られている時はしっかりと聞いている。でもチームメイトのヤツが言われている時は、ちょっとね。そういうヤツって、毎回同じようなことを言われる。早く成長してくれよって(苦笑)。

鮎川●(苦笑)。

土肥●ポジショニングとかの話が多かったかな。時々、強い言葉も飛び出してきて、「ええっ」ってなるんだけど、言葉の意味はちゃんと伝わってくる。だからよかった。

鮎川●俺、代表から帰ってきてすぐの試合の時、ハーフタイムに「代表に行って、こんなんか」って言われた。自分的にはそんなに悪くないと思っていたんだけど。

土肥●あ、あったな、そんなん。シュンが怒られているなあって。2年の時やなあ。

鮎川●そう。アウェイの福岡戦。

土肥●あ。負けた試合か。覚えてるわ。ただ、シュンが怒られているのは珍しいなあって。

……土肥選手が怒られたことは?

土肥●ありますよ。高2の時は先輩に頼っていて、自分は自由にやっていたんです。でも高3になって初めての練習で同じようにふるまっていたら、「今までのように自由にやりすぎるな」って。3年なんで、チームのリーダーとなってやっていかなきゃダメだから。

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