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【広島対FC東京戦プレビュー】ネットを揺らすために、ほんの少しの工夫を。

2019年8月17日、アウェイでFC東京を破ったのは、ワイドから中に入ってきた柏好文の創造性に満ちた動きと正確なシュートあってこそ。ここまで6試合5勝1敗と好調に走っていたFC東京はこの試合以降、6試合1勝2分3敗と失速。優勝を逃す遠因となった。

 

優れた若者を輩出し続けたFC東京は、今季に入って次々と選手を欧州に送り出した。ボランチの橋本拳人、そしてサイドバックの室屋成。いずれも日本代表である。

当然、影響がゼロであるはずもない。本来、失点が少ないはずのFC東京が10試合で3度の複数失点試合を重ねているのは、ボール奪取に優れた橋本の不在を感じざるを得ない。室屋不在は広島戦が初めてであり、どうなるかは気になるところだが、代役は明治大から今季加入した中村帆高。今季は既に6試合出場しているが、経験値で室屋に届くはずもない。もちろん侮ると危険ではあるし、プロ2年目ででミキッチに衝撃を与えた長友佑都(中村の明治大の先輩にあたる)ような爆発を見せないとも限らない。しかし、普通に考えれば広島のストロングポイントである左サイドを抑えるのには苦労するはずだ。東慶悟のケガもあり、メンバー構成は難しい状況にある。

だが第9節の対C大阪戦から採用した髙萩洋次郎のアンカー起用が見事に機能し、2試合連続完封を継続。浦和戦では6得点を記録した名古屋の攻撃陣をほぼ完璧に抑えた。ボール支配は名古屋に譲ってはいたが、シュート数は10対6でFC東京が上回った。ペナルティエリアへの進入回数もFC東京が上。3トップの機能性も上々で、特にセンターで起用された永井謙佑の献身的なプレーはチームを牽引した。

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