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【SIGMACLUBNEWS】広島対鹿島、劇的すぎる幕切れ。

【TODAY’S CONTENTS】

■広島対鹿島戦、終了間際での得点で劇的な勝点1。2017年横浜FM戦以来のアディショナルタイムでの勝点奪取。

■林卓人、選手生命をかけたシーズンの中での手応え。

■カシマスタジアムの「TOJI」を体験。

■終了間際、劇的な勝点1。2017年横浜FM戦以来のアディショナルタイムでの勝点奪取。

カシマスタジアムからの嘲笑を受けた気がした。

「君たちはここでは勝てないんだ」

そんな言葉が、耳元でささやかれているような雰囲気を感じていた。

誰に言われたわけでもない。そんな空気感があったと感じただけのことである。

が、それほど、広島の人々はここでの鹿島戦に辛い思いをしてきたということだ。実際、屈辱の2点目を失った後、チャンスは目に見えて減っていた。

紫の選手たちは、そんなアウェイの雰囲気をひっくり返した。それはアディショナルタイム、93分台に入った時間帯だった。

左のスローイン。佐々木が思いきって投げる。伸びた。パトリック、ドウグラス・ヴィエイラ、ヘッドでつなぐ。

鹿島の堅陣に綻びが見えた。野津田岳人がフリーで入ってきた時、完全にシュートコースはあいていた。ダイレクトで打てるタイミングではない。バウンドしてきた時、犬飼と三竿、そして町田の3人が寄せてきた。だが、町田は本来、柏好文を見ていた選手。彼が必死で戻らなければ、シュートコースは完全に野津田の手の中にあった。

町田のカバーは速い。しかし、広島の7番は柏の声が耳に届いた。

ここだ。

浮き球に左足を当て、フワリとスペースへ。ノールック。しかし、そこは野津田の左足だ。

狙いどおりの場所。

18番、バウンドを合わせる。適度に力が抜けた。スイング。鋭い。

ボレーッ。GK、一歩も動けない。

柏、叫ぶ。腕に力が入る。カシマスタジアム、沈黙。広島サポーター、歓喜。

勝点3はとれなかった。2度にわたって先行された。ACLの悔しさを晴らすことはできなかった。

それでもなお、紫の戦士たちが全員でもぎとった勝点1の意義は深い。

2017年7月8日、森保一監督退任を受けて就任した横内昭展監督唯一の試合となったアウェイ・横浜FM戦でアンデルソン・ロペスが決めた同点劇以来、約2年振りとなる後半アディショナルタイムでの同点劇。思い起こせばこの時の勝点1差によって、広島はJ1残留を確保できたのだ。

試合後、笑顔を見せた選手はいない。城福監督も、苦虫をかみつぶした。満足していない。それでいい。

だが、僕らは讃えたい。監督とスタッフ、選手たちの勇気を。粘りを。戦う意志を。

きっとこの先、この勝点1に感謝する日がくる。そう信じて、歩いていけばいい。

90分間とアディショナルタイム、よく頑張った。

誇らしい思いで夜空を見る。知らない間にカシマスタジアムの雨は、止んでいた。

 

監督・選手コメントはTSS公式モバイルサイトにアップしています。試合レビューはもう暫く、お待ちください。

 

■林卓人、選手生命をかけたシーズンの中での手応え。

今季初めてJリーグのゴールマウスの前に立ち、2失点したとはいえ、90分を戦いぬいた林卓人。まずはよかったとほっとしていたのだが、試合後に彼の腰の状態が非常に厳しい状況だったことがわかった。終始、笑顔で語っていた彼の言葉の全ては、TSSサンフレッチェ広島モバイルサイトで見てもらいたいが、その一部を引用したい。

「明日、もしかしたら僕はまたプレーできないかもしれない。そういうギリギリの中でも、何とか思いきりピッチに立てる状態をつくりたいと改めて思った。そういう気持ちにさせてくれたこのゲームは大きかった。そういう状態でも僕を使ってくれた監督、ましてキャプテンマークをつけて送り出してくれた監督に結果で応えたかった。そこは残念ですが、今の状態でもこれくらいやれるんだなとわかった」

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