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【2018紫熊の勇士】川辺駿/向上の予感

使い古されたものではあるが、これ以上にはまる言葉はないからにあえて使う。

電光石火。

昨日行われた城南FCとのトレーニングマッチでハットリックを達成した川辺駿が決めた1点目のことだ。

このシーン、筆者は3本目(この試合は30分×3本)のメンバーをメモするために下を向いていた。とはいえ、ほんの数秒のこと。サッカーは瞬きする間に状況が一変する。

どよめき。

はっと顔をあげると36番が左足を振っていた。ボールはポストを直撃してそのままネットイン。かろうじてシュートの素晴らしさは認識できた。では、どういう経緯でシュートまで持っていけたのか。見ていた方の話をまとめると、縦パスをティーラシンがさぱき、柴崎晃誠のパスに川辺が飛び出してゴールを決めた。そういう連動性を保ったシーンだったという。

悔いが残った。

どうして、下を向いてしまっていたのか。確かにメモをとらないといけない。でも、そういう瞬間にゴールが決まってしまうなんて。「持っていない」というよりも情けない。

だが、そういうこちら側の想いをくんでくれたのか、川辺はまたも魅せた。

4本目開始早々、広島は左サイドを攻略する。柏好文がキープ。左サイドバックを務めた馬渡和彰がクロス。そこに詰めていたのが川辺だ。きっちりと決めて魅せる。36番、やはりシュートが巧い。

11分、深い位置でボールを持つと、迷わずに右へと展開。柴崎のクロスを柏が折り返し、松本泰志が詰める。教科書のような崩しを見せ付けてくれた、そのスタートは川辺だった。

そして仕上げ。柏のスルーパスに和田拓也が飛び出し、ヒールパスをダイレクトシュート。単独の突破でもセットプレーでもなく、全てのゴールがコンビネーションの賜物であり、1点目の森島の得点以外の4得点、その真ん中にいたのは川辺駿だったことは間違いない。

(残り 1956文字/全文: 2708文字)

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