「川崎フットボールアディクト」

理想的な流れで3得点。課題は出たが、次に繋がる1勝に/J1 第10節 vs福岡【レポート】

J1 第10節
4月29日(土)(17:03KICKOFF/ベススタ/9,053人)
福岡 1 – 3 川崎

■瀬古樹

準備してきたものが、少しずつ噛み合い始めているのかもしれない。

アウェイで福岡を3−1で下した試合は、先制、追加点、ダメ押しの理想的な得点経過で進行。福岡の反撃を試合終盤の1失点に抑えた。課題を一つずつ克服し、前進を続けてきたチームの歩みを象徴するかのような試合展開になっていた。

そんな試合の中で、特に目立っていたのが瀬古樹の働き。ボランチでの位置でのプレーを予想していたが、基本的に一列前のポジションを基準に攻守に上下動して顔を出しており、インサイドハーフとして動いているように見えた。

瀬古は自らの動き出しでフロンターレの流動性を体現し、それが福岡の守備陣に混乱をもたらした。一見すると、堅牢そうに見える4-4-2のブロックに対しても、狭いスペースに入り込んでパスを引き出して攻撃の足がかりを作った。

そんな瀬古について、鬼木監督に話せる範囲でとの注釈を付けて質問したが、その瞬間に鬼木監督は苦笑いして瀬古の評価だけを説明してくれた。今は明かせない戦術面のポイントがあるのだろう。いつも質問に対してはわりとオープンに答えてくれる鬼木監督にしては珍しい反応だった。

なお、鬼木監督が明かしてくれた瀬古の印象は、マルチロールタイプの選手であり、ゲームの状況を読める選手だということ。そして「ビルドアップで必要であればピックアップ(ボールを引き出せる)」してくれるということ。そして、ビルドアップに関わる必要がないと判断した時には「前線で絡んで」くれるともしている。さらに「本当に広い視野を持っていますので。そういう意味でいうと、そこのゲームコントロールのところなんかもね、非常に上手にやっていたなというふうに思います」と述べて、瀬古の評価を締めくくってくれた。かなりの高評価ということが言えるが、実際に瀬古の働きは目覚ましいものがあり、更に言うとこの試合を動かしたキープレーヤーの一人だったのは間違いない。

■中盤の3枚

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