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金沢U-18は残留に向けた大事な連戦を1勝1分で終える【無料記事】

 

苦しみながらも松本U-18に勝利

 

金沢U-18は10月7日にプリンスリーグ北信越第16節・松本U-18戦、そして中1日で延期になっていた第14節・鵬学園との試合を行った。

 

状況を整理すると、プリンス再開前の時点では5位につけ、ギリギリでプレーオフも狙える状況ではあった金沢。しかし再開後の第13節・日本文理戦(2−3)、第15節・富山U-18戦(0−2)で連敗を喫したことで、2部降格を気にしなければいけない状況になっていた。

 

残留のための大事な連戦。初戦となる松本戦は立ち上がりから金沢が主導権を握った。フォワードの井上龍昇が間で受け、さらには右に張った島野竜太朗、左の加藤煌晴と辰巳航のコンビなどがチャンスをつくっていく。そして迎えた27分、コーナーキックからセンターバックの神野大幸が合わせて先制に成功する。

 

後半はパスのテンポが上がり左で起点ができた松本の前に一進一退の攻防となる。前半同様、井上を中心にした攻撃で追加点を狙い、セットプレーから決定機を迎えるも追加点は奪えない。すると75分、荻無里斗望の精度の高いフリーキックから追川飛羽にヘディングシュートを決められ1−1の同点に。勢いに乗る松本の攻勢でさらなるピンチを招く場面もあった金沢だが、ディフェンス陣の体を張った守備でしのいでいく。そして86分、途中出場の薬師拓翔がうまく抜け出してフリーキックを得ると、その流れから最後は再び神野が押し込んで勝ち越し。そのまま逃げ切り、後半戦初勝利を挙げた。

 

激闘となった鵬学園戦

 

1日挟んでの鵬学園戦は白熱の展開となった。開始早々の8分、吉村征也が抜け出したところをエリアの外に出たキーパーに倒され、キーパーにレッドカード。これで残りの80分強はボールをもつ金沢、ブロックをつくって守る鵬学園という構図になる。

 

「(相手の退場で)圧倒的に楽にはなったし、自分たちが保持する時間が圧倒的に長かったけど、あれだけ引かれると自分たちのなかなか崩せないという課題が出る」。キャプテンの高橋祐翔がそう話したように、金沢はブロックの外で回してチャンスをうかがう。高橋からの大きな展開や右サイドの辰巳航と島野竜太朗でポケットを狙うなどの意図は見えたが、シュートが枠を大きく外れる場面も多く、決定機は多くなかった。

 

後半は「ライン間が一番あくので、そこにさしていこう」という高橋の言葉どおり、厳しいところに入れて勝負するようなボールが増えていく。49分には井上のクロスから吉村征也が頭で合わせるもバーを直撃。さらに61分にはコーナーキックの混戦から辰巳が狙うもポストに阻まれてしまった。

 

そんななかで先制点は鵬学園に生まれる。70分、金沢の一瞬の隙をついてゴール前でフリーキックを得ると、その流れから鈴木樟がヘディングシュートを決めてワンチャンスを物にした。

 

その3分後、金沢も高橋が敵陣でファウルをもらいフリーキックを得る。井上のキックに合わせたのは「自分がマークを外してやられたので自分がやってやろうと思っていた」という高橋。キャプテンが「ほとんど決めたことがない」というヘディングシュートを決めてすぐに同点に追いついた。

 

さらに77分には右サイド深くで辰巳にボールが渡る。「相手がつっこんでくるのが見えていたので焦らずに切り返して顔を上げた。パスも出せる状況だったけど、相手がいなかったので思い切り振り抜いた」という辰巳の冷静な判断と思い切りのいいシュートで金沢が逆転に成功した。

 

しかし最後に意地を見せたのは鵬学園。試合終了直前、山田智稀がひとりで持ち込むと、そのままシュートを決めて同点に追いついた。金沢は90+5分に辰巳のクロスに薬師が合わせるもヘディングは枠の外に外れ試合終了。痛い勝点1となった。

 

2−1と逆転してからはうまくボールを回して戦っていた金沢だが、試合終了が近くなったところでややロストから攻め込まれる場面も増えた。「ボールを保持するかどうかということころで、前には急ぎたくないしというところだったけど、一瞬の隙でやられた」と高橋。辰巳も「みんなの少しの甘さやゆるさがあった。日頃の練習でも少し甘い部分とかもあったりするので、そこが出てしまった。修正していかないといけない」と、勝ちきれない勝負弱さを課題に挙げた。

 

プリンス北信越はここから1ヶ月以上間隔があき、金沢は第17節で帝京長岡(11月18日)、最終節で北越(11月23日)と対戦。どちらかで1勝すれば自力での残留が決まる。

 

コメント

高橋祐翔(3年)
「今年は夏も(クラブユース選手権に)いかせてあげられなかったし、(プレミアリーグ)プレーオフにもいけないので、自分たちが残せるのは3年生の意地とか必死にプレーするところ、鼓舞する声とかになってくる。自分はキャプテンとして、もっと周りをまとめれる存在にならなければいけない」

 

辰巳航(3年)
「3年生が少ないなかで2年生に残せるものは、自分たちがつくっていかなければいけない。まだ残留が決まっていないので意地で(ゴールを)決めた。今年はプレーオフにもいけない。そういうなかで残留を絶対条件として、来年につなげていく。そういう思いで残り2試合、3年生全員が強い思いをもって1試合1試合、勝ちきっていきたい」

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