FOOTBALL TODAY KANAZAWA

事前準備と現場対応【第9節・水戸戦レビュー】

こんなに落ち着いた展開の水戸戦は久しぶりだった。終盤にスコアが動かなかったのは2019年の第21節以来6試合ぶり。後半に点が入らなかったのもリーグ戦15試合で3回目というレアケースだった。

 

ただ、スコアこそ1−1だが、今回も終盤に試合が激動する可能性は十分にあった。金沢が勝ち越す可能性のほうが高かったが、チャンスの数で比べられないのが水戸戦。88分に髙岸憲伸に際どいミドルシュートを打たれたが、Jデビュー戦で星稜高校出身の選手が金沢の地で決勝ゴールを決めていれば、劇的すぎるドラマ。金沢にとってはダメージの残る最悪の結果を免れることができたのはプラス材料だった。

 

マイナスな点は、やはり勝点3がとれなかったこと。柳下正明監督も「点数をとれるように練習します」「入るように練習してるけどね」「なぜ入らないか不思議」「練習します」と繰り返していたが、あとは決めるか、決めないかだけ。水戸戦は超がつくほどの決定機を決められなかったが、逆に栃木戦は決定機が少なかったがスーパーなゴールで勝つことができた。昨年もアウェイの磐田戦で瀬沼優司が押し込むだけの場面で外し、ホームの磐田戦でヒールトラップからのダイレクトボレーというゴラッソを決めている。サッカーは不思議であり、難しい。だからこそおもしろい。This is football、だ。

 

話を水戸戦に戻そう。この試合では狙いがバッチリはまった部分と、ゲームのなかでうまく対応した部分が見えた。とくに後者では、いまのチームのいい部分が出ていた。

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