【広島 0-0 福岡】リアリズムを見せ付けた広島、Hiroshima Nightと共に国立への切符をつかむ。
紫の戦士たちが、一斉にファミリーたちに向かって走る。そして、跳ぶ。
エディオンスタジアム広島恒例、ウイニングランだ。
歓声と拍手で出迎えるファミリーたち。
「GRANDE VIORA HIROSHIMA!」
そして、一瞬の間があって、「広島」という野太い声が響く。
その迫力にスタジアムが静寂に包まれ、選手たちもスキッベ監督も、足を止めてスタンドを見つめた。
「カップ、奪え」
響き渡るコール。
「OLE! VIOLA!!」
そして、一気にヒートアップ。
「さあ、行こうぜ、どこまでも。走り出せ」
Hiroshima Nightが始まった。それと同時に、選手たちが飛び跳ねた。
「輝け、俺たちの誇り。広島、広島」
3度、繰り返された広島ナイト。
そして、サンフレッチェコールが叫ばれる中、自然と選手たちはスタンドに背を向けた。ファミリーたちと共に、記念撮影を撮るためだ。
スタジアムによっては、こういう写真をオフィシャルしか撮影が許されない場合もある。だが広島は許可してくれている。本当にありがたい。
それにしても、素晴らしい「イッタイカン」だ。この試合は勝ったわけではない。スコアレスドロー。だが、この引き分けが何を意味しているか、駆け付けた人々はみんな知っている。
だからこそ、ファミリーは賛美した。もちろん、勝って国立に行きたかったのは当然だ。だがカップ戦において何が大切か、ということだ。勝ち上がることだ。
この素晴らしい空気感を、実は筆者は体感していない。YouTubeの動画を見て、初めて知ったことだ。本当に時代の進歩とは、ありがたい。ライブで見ていなくても、追体験できるのは嬉しい。それは、スタジアムに行けなかった人々にとっても、同様だろう。
この時間帯、筆者は記者会見室にいた。両チームの監督の言葉を聞くためだ。
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