【広島 0-0 浦和】勝ち点1をもぎとった大迫敬介と荒木隼人
56分、まだ雨がそこまで強烈に降っていなかった埼玉スタジアムで展開された、ミドルゾーンでのクイックリスタート。サッカーがアイディアのスポーツであることを、見事に証明した瞬間だった。
ただ、実行したのはアレックス・シャルクだ。
広島が前にかかっていた時間帯、前線で待っていたシャルクに縦パスが通る。潰した。荒木隼人、さすがだ。だが、次の瞬間である。
FKを知らせるホイッスルが鳴った瞬間に切り替えた。ボールを置き、すぐにキック。この時、彼はおそらく分かっていたのだろう。塩谷司がハーフウエイラインを超えていたことも、関根貴大がその裏を狙っていたことも、ダヴィド・モーベルグが佐々木翔と1対1になっていたことも。
シャルクのキックが関根に通ったその瞬間、広島は大ピンチを迎えた。塩谷が必死に戻るが関根との接触で倒れてしまう。ノーファウル。荒木が猛然と戻った。それでも数的同数。
パスだ。通った。モーベルグだ。
凄いスピードがあるわけではないがボールを持つことができるドリブラーで、強烈な左足もある。
「カットインしてくる」
大迫は直感した。そして。
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